はじめに
図表やフローチャートを PDF で共有したいとき、手軽に「PDF図として保存」できる方法は数多くあります。
本記事では、初心者でも即実践できる簡単手順から、PDF の画質・圧縮・セキュリティ設定までを網羅し、公式ツール・エディタに焦点を当てて解説します。
「図を PDF 化したい」という疑問を持つ読者が、目的に合った手段を選び、確実に高品質な PDF を作成できるようにサポートします。
1. 基本的な図の PDF 化:初心者向け簡単手順
1‑1. 目的と図の種類を確認する
- 静的図(スライド、PNG、JPG)
- インタラクティブ図(Visio、Lucidchart のエクスポート)
- 描画ツール(Microsoft Paint、Inkscape、Adobe Illustrator など)
図の形式や用途(印刷用、ウェブ用、内部共有用)に応じて、適切な PDF 化方法を選択します。
1‑2. 代表的な公式ツールでの手順
| ツール |
手順概要 |
備考 |
| Microsoft Word |
1. 図を貼り付け 2. 「ファイル → 名前を付けて保存」→「PDF」 |
スライドや文書内の図をそのまま変換 |
| Google スライド |
1. 図を挿入 2. 「ファイル → ダウンロード → PDFドキュメント」 |
クラウドベースで即応 |
| Adobe Acrobat Pro DC |
1. 「ファイル → 作成」→「ファイルからPDFを作成」 2. 拡張ツールで画像設定 |
高度設定へのブリッジ役 |
| LibreOffice Draw |
1. 図を描画 2. 「ファイル → エクスポート」→「PDF形式」 |
無料かつオープンソース |
例:Adobe Acrobat Pro DC での画像 PDF 作成
- アプリ起動 → 「ファイル」>「作成」>「ファイルから PDF を作成」
- 画像ファイル(PNG/JPG)を選択 → 「作成」
- 「PDF設定」ダイアログで「画像」タブを開き、「圧縮」を設定
- 「保存」
これだけで、画像をそのまま PDF へ変換できます。
2. 画像を PDF に埋め込む標準的な手順(Windows / macOS)
2‑1. Windows 10/11 の「印刷」機能を利用
- 画像を開く(フォトアプリまたはエクスプローラー)
- Ctrl + P で印刷ダイアログを開く
- プリンタ一覧から「Microsoft Print to PDF」を選択
- 設定 → OK で PDF が生成
2‑2. macOS の「プリント」ダイアログ
- 画像を開く(Preview)
- 「ファイル」>「プリント」
- 右下の PDF ボタン → 「PDFとして保存」
便利なショートカット
| ショートカット |
機能 |
使いみち |
| Ctrl + P / ⌘ + P |
印刷ダイアログ |
画像を PDF 化 |
| Shift + 10 (Preview) |
画像を PDF 化 |
文字列化の手間を省く |
3. 公式エディタでの PDF 生成と高度な設定
3‑1. Adobe Illustrator の「ファイル → 書き出し」→「PDF」
- 圧縮:画像の圧縮率を「非圧縮」から「JPEG」へ変更
- 出力解像度:印刷用は 300dpi、ウェブ用は 72dpi
- カラーマネージメント:ICC プロファイルを「Adobe RGB」または「sRGB」に設定
3‑2. Microsoft Visio の「ファイル → エクスポート」→「ページを PDF/X-1a へ」
- オプション:図形のベクターデータ保持、線幅の統一設定
- セキュリティ:パスワード設定で閲覧・編集制限
3‑3. LibreOffice Draw の「ファイル → エクスポート」→「PDF」
- 画像圧縮:「画像を自動的に圧縮」チェックを外すと高画質
- セキュリティ:PDF パスワード、編集禁止設定
- メタデータ:著者情報、作成日付を埋め込む
4. 高度な設定:品質・圧縮・セキュリティの最適化
| 項目 |
設定値 |
推奨ケース |
備考 |
| 画像圧縮 |
JPEG (品質 80-90%) |
大容量画像を軽量化したいとき |
失われる画質は最小限 |
| 解像度 |
300dpi |
印刷向け |
72dpi はウェブ向け |
| 文字のアウトライン化 |
ON/LATEX |
日本語文字の互換性確保 |
ファイルサイズ増加に注意 |
| PDF/A 形式 |
ON |
アーカイブ保存 |
ISO 標準化 |
| パスワード |
文字列 6-8 |
機密情報で共有 |
文字数増やすほど強固 |
| 編集禁止 |
ON |
資料の改ざん防止 |
読み取り専用になる |
| デジタル署名 |
ON |
公式文書確認 |
公開鍵基盤 (PKI) が必要 |
例:Adobe Acrobat Pro で解像度と圧縮を微調整
- 「設定」>「プロダクション」>「PDF」
- 「画像」タブで「圧縮方法」→「JPEG (高圧縮)」
- 「画像の解像度」→「印刷用: 300dpi」
- 「OK」
- 「ファイル」>「変換」>「PDF/A」設定も忘れずに
5. よくある質問(FAQ)
| 質問 |
回答 |
| Q1:画像を PDF へ変換するときの画質はどのくらいに設定すればいい? |
印刷用途なら 300dpi、ウェブなら 72dpi が一般的。画質を保ちながらサイズを抑えるには JPEG (品質 80%) がバランス取れます。 |
| Q2:PDF で文字を編集できないようにしたいのですが? |
PDF の作成時に「編集を禁止」にチェックし、必要であればパスワードを設定します。Adobe Acrobat の【セキュリティ設定】から行えます。 |
| Q3:PNG 画像を PDF にするときに透明度が失われますか? |
通常は維持されますが、Adobe Illustrator などのエディタで「ベクターデータ保持」を選択すると透明度もそのまま残ります。 |
| Q4:複数ページある画像を一つの PDF にまとめるには? |
Windows の Print to PDF 機能ではページ単位ではなく 1 つの画像を対象とします。複数画像は「Adobe Acrobat」や「Inkscape」で複数ページを作成してまとめるか、「LibreOffice Draw」でページを増やして貼り付けてから PDF へ変換します。 |
| Q5:PDF 変換後にファイルサイズをさらに小さくしたいときは? |
「圧縮率」を更に下げるか、画像解像度を減らす、または「PDF/A」を解除することでサイズ削減が可能です。さらに、Adobe Acrobat の「ファイルサイズを軽減」ツールを活用してください。 |
6. まとめ
- 初心者:Microsoft Word や Google スライド、Windows/macOS のプリント機能で簡易かつ高速に PDF 作成。
- 公式エディタ:Adobe Illustrator、Visio、LibreOffice Draw などで設定を細かく調整し、目的に合わせた PDF を生成。
- 高度設定:画像圧縮・解像度・パスワード・編集禁止・デジタル署名などを駆使して、品質とセキュリティを両立。
図を PDF として共有したい場面は多岐にわたり、その用途に合わせて最適な手段を選択することがポイントです。今回紹介した公式ツールはほとんどの環境で入手可能で、手軽に試せますので、ぜひ自分のケースに合わせて組み合わせてみてください。
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