PDF送信の基本を抑えよう
PDFは文書を作る上で「最後の完成形」と考えてしまいがちです。しかし、PDFを送るという行為は、作成した文書を「受け取り手の手に渡させる」ための重要なプロセス。メールに添付して送るだけでなく、クラウドストレージを活用することでファイルサイズやセキュリティ面でもメリットがたくさんあります。本記事では、初心者でも分かりやすいステップバイステップで、メール・クラウドから手軽にPDFを送る方法と、よく起きるトラブルへの対処法を解説します。
メールでPDFを送る基本手順
メールに添付してPDFを送るのは最も手軽な方法です。以下の手順で実際に試すときのポイントを押さえましょう。
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メールソフトを起動
Gmail、Outlook、Thunderbird など、好みのメールクライアントを開きます。多くのサービスはブラウザで完結できるので、手元にPCやスマホだけで済みます。 -
新規メール作成
宛先、件名、本文 を入力し、添付ファイル ボタン(紙クリップアイコン)をクリック。 -
PDFファイルを選択
ファイル選択ウィンドウが開いたら、送信したい PDF を指定し、選択を確定します。ファイルがローカルディスクに保存されていれば、ここで選びます。 -
メッセージを確認して送信
附記や説明文を入れ忘れないようにし、受信者が必要とする情報が全て網羅されているか確認します。最後に「送信」ボタンを押せば完了です。
よくあるメール添付の注意点
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添付ファイルサイズ制限
ほとんどのメールサービスは添付ファイルの総合計が25 MB以内に制限されています。PDFが大きい場合は別途対策が必要です。 -
受信側のセキュリティ設定
企業のメールサーバーでは「受信者が添付ファイルで許可されていない形式」という制限があるため、PDFであっても拒否されるケースがあります。PDF以外の形式(JPEG、PNG など)に変換する検討も。 -
ファイル名の文字化け
特殊文字や全角文字を含むファイル名は、メール送信時に文字化けする場合があります。英数字中心のシンプルな名前に変更してください。
大きな PDF を送る? まずは圧縮と分割
25 MB 以上の PDF をメールで送ると、設定上でブロックされてしまうことが多いです。以下の対策を取り入れてみましょう。
圧縮して ZIP にする
Windows や macOS の標準機能で手軽に圧縮できます。
| OS | 圧縮方法 |
|---|---|
| Windows | 右クリック → 「送る」→「圧縮フォルダ」 |
| macOS | 右クリック → 「圧縮」 |
ZIP にした場合のサイズは元の PDF より小さくなることが多いです。ただし、受信者が ZIP を解凍できる環境が必要です。
PDF を分割して送る
Adobe Acrobat DC や無料の PDF Splitter ツールを使えば、1枚の PDF を複数ページに分けて保存できます。分割後は「1/5.pdf」「2/5.pdf」など名前を付けて送信すると、受信者が順に開けます。
クラウドストレージで共有リンクを送る
クラウドサービスはファイルサイズ制限がほぼありません。代表的なサービスは次の通りです。
- Google Drive:25 GB/月は無料で、共有リンクを作成すればどこでも閲覧できます。
- Dropbox:ファイルサイズは無制限(基本計画は2 GBまで)。リンクを共有すると受信者はダウンロードできるか、オンラインで閲覧可能です。
- Microsoft OneDrive:Outlook と連携がスムーズ。ファイルサイズは 15 GB まで。
クラウドで共有する際の手順はほぼ共通です。
- クラウドに PDF をアップロード
- 「共有」または「リンクを取得」ボタンを押す
- 「閲覧のみ」や「編集可能」など権限設定を選択
- 出てきた URL をメール本文に貼り付けて送信
送信前に確認すべきポイント
- リンクの有効期限設定:ほとんどのサービスはデフォルトで無期限にできますが、リンクが有効期限切れに設定されていると受信者がアクセスできなくなります。
- アクセス権限:リンクを知っている人が誰でも閲覧できる形式に設定したい場合は「閲覧のみ」にします。
迷子になるトラブルとその対策
初心者が直面しやすい PDF 送信時のトラブルと解決策をピックアップ。
| トラブル | 想定される原因 | 対策 |
|---|---|---|
| メールが届かない | メールサーバーの送信制限、迷惑メールフィルタ | 受信者へ「迷惑メールフォルダに入っていないか」を確認する。送信時は件名に「PDF添付」と記載すると見つけやすい。 |
| PDFが開けない | パスワード保護でパスワードを送っていない、ファイル破損 | 送付前に再度開いて確認。パスワードを別途文書や電話で伝える。 |
| リンクが壊れる | アップロード失敗、共有設定誤り | アップロード後にリンクを再生成し、リンク先の「ファイルが見つからない」と表示されないかテスト。 |
| ファイルサイズ制限 | 受信側のメールサーバー制限 | 上記の「圧縮」「分割」「クラウド共有」のいずれかを選択。 |
| メールサーバーがPDFを拒否 | 添付ファイルに対するセキュリティ制限 | PDF以外の形式に変換(PNG、JPEG)し、再送。あるいは「リンクを送る」方式へ転換。 |
便利なツールと拡張機能
PDF 送信をスムーズにするツールや拡張機能を紹介します。初心者でも設定が簡単なものが多く、手間を大幅に削減できます。
PDF 圧縮・分割ツール
| ツール | 特徴 |
|---|---|
| Smallpdf | ブラウザベースで完結。PDF を圧縮や分割、回転、結合できる。 |
| ILovePDF | ほぼ同様の機能を持ち、Google Drive と連携可能。 |
| PDFsam | デスクトップ版は無料。分割・結合が速い。 |
PDF 署名・編集ソフト
- Adobe Acrobat Reader DC:無料版でも署名機能あり。
- 福音署名:Windows 10 以降に標準装備。
- Foxit PDF Reader:軽量かつ充実した編集機能。
メール送信アプリの拡張
- Thunderbird:オープンソースで拡張機能が多数。Thunderbird Send Later で送信時間を予約。
- Outlook:Outlook 連携設定 で OneDrive, Dropbox などのクラウドサービスと連動。
- Mailstrom:メール整理が軽快に。受信トレイをきれいに整えるのに最適。
セキュリティと個人情報保護
PDF で機密情報を送るときは、メール自体の暗号化だけでなく、PDF の暗号化 が必要です。特に法人内部で文書を共有するケースでは、以下の手順を検討してください。
PDF にパスワードを設定
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Adobe Acrobat(有料)
「保護」>「パスワードで暗号化」 -
Foxit PDF Editor
「保護」>「パスワードを設定」 - Smallpdf(無料版)でもパスワード設定可能
パスワードは別途安全な手段(電話や別メール)で送信してください。
TLS 暗号化が必要な場合
- メール送信時の暗号化:ほとんどのメールサービスは TLS(Transport Layer Security)で自動暗号化します。
- SMTP での暗号化:メール送信サーバーの設定により TLS が有効か確認。
- VPN:社内ネットワーク以外から送信する際は VPN を利用して安全性を高める。
事例紹介:企業と個人で使い分ける
企業の事例
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社内報告書の送付
課題:社外に送る際はセキュリティ対策。
対策:PDF へパスワード設定、OneDrive で共有リンクを設定し、社内外の共有権限を分ける。 -
契約書の送付
課題:署名済みファイルを確実に届ける。
対策:Adobe Sign で電子署名し、署名済み PDF をメールで送付。受信側はファイルが改ざんされていないことを確認。
個人の事例
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学生のレポート提出
課題:1人 1ファイルという限界。
対策:Google Drive で「提出済み」フォルダを作成し、提出期限までにリンクのみを共有。 -
友人との写真・レポート共有
課題:ファイルサイズが大きい。
対策:ZIP 圧縮後に Dropbox にアップロードし、リンクをメッセンジャーで共有。
よくある質問(FAQ)
Q1. PDF をメールに添付すると容量が上限を超えて送れないのはなぜ?
ほとんどのメールサーバーは「大容量保護」を設け、添付ファイルの総量に上限を設けています。25 MB 以上は送れない場合が多いので、先ほど紹介した「圧縮」「分割」「クラウド共有」を利用してください。
Q2. PDF のパスワードを誰に渡せばいい?
パスワードはメール本文とは別に、電話や別の安全なチャネルで直接伝えることが推奨されます。メール本文にパスワードを入れちゃうと、受信しても解読が不可能になるだけでなく、第三者に受け取られたときに情報漏れリスクが増えます。
Q3. 受信側が PDF を開けない?
受信側の PC が PDF リーダーを持っていない、もしくはバージョンが古い場合があります。Microsoft Edge や Chrome は標準で PDF を開けますが、Adobe Reader など最新版をインストールしてみてください。
Q4. クラウドリンクを一時的に使いたい場合、リンクはいつも無効になるの?
多くのクラウドサービスでは「有効期限」設定が可能です。期限を設定すれば、リンクは設定日時の後に使用できなくなります。期限を設けないか、設定したい場合は「リンク設定」画面で確認できます。
Q5. PDF 送信時にファイル名が変わってしまう?
メールクライアントが自動的にファイル名を修正したり、日本語の文字化けを防ぐために英数字に変換することがあります。送信前にファイル名を確認し、必要ならサンドボックスで手動で変更してください。
まとめ
PDF をメールやクラウドストレージに送るときのポイントは、「ファイルサイズ・セキュリティ・受信側環境」の三点です。まずはメール添付の基本をマスターし、25 MB を超える場合やセキュリティが必要なファイルは「圧縮」「分割」「リンク共有」のいずれかを選択します。トラブルが起きたら、原因を速やかに把握し、上記の対策を適用するだけで解決できるケースがほとんどです。
初心者でも手軽に始められるツールは、無料版が充実している Smallpdf や ILovePDF、またはクラウドサービスの Google Drive、Dropbox、OneDrive のように、既に使っているサービスを上手く活用するだけで十分です。安全・簡便・効率の三拍子を整えれば、PDF 送信はもう頭に悩む時間もなく、スムーズに完了できます。どうぞ、この記事を参考に、あなたの PDF 送信術をレベルアップさせてください。


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