PDFを開いて文字を選択しようとしたが、コピーできない――この体験は多くの人にとってフラストレーションの源です。特に資料共有が必要なビジネスシーンや研究資料を自分の言葉でまとめたいとき、コピー不可は手間ばかり増やしてしまいます。今回は「今すぐ試したい簡単なPDFコピー方法と設定変更ガイド」をまとめました。PDFに埋め込まれたコピー防止設定を解除する手段から、環境依存の問題まで、段階的に解決策を紹介しますので、まずは自分の状況に合った方法を試してみてください。
PDFコピーが禁止されている原因を知ろう
1. Adobe Acrobatで設定されたセキュリティ
多くのPDFは作成者がファイルの編集やコピーを制限しており、これがAdobe Readerやその他のビューアでもコピー不可になっています。
- 「プロパティ」→「セキュリティ」タブにアクセスして、許可が「閲覧のみ」かどうか確認。
- 制限がかかっている場合、解除するには開発元のパスワードが必要です。
2. デジタル著作権管理(DRM)
出版社や企業が配布するPDFはDRMで保護されている場合があります。DRMは単にコピーをブロックするだけでなく、保存や印刷まで制限することがあります。
- こうしたファイルは通常、権利者の許可なしに自由にコピーできません。
3. 生成されたPDFのフォーマット
スキャンした文書や画像のみで構成されたPDFは、文字情報が存在しないためコピーできません。
- この場合はOCR(光学文字認識)でテキスト化する必要があります。
1. Adobe Readerでコピーを有効にする設定変更
注意:コピー禁止設定はファイル側でロックされている場合無効です。
ここで紹介する方法は「閲覧許可がある」PDFに対してのみ有効です。
- Adobe Acrobat Readerを起動し対象ファイルを開く。
- メニューから 「編集」→「環境設定」(Windows)または 「Acrobat Reader」→「環境設定」(macOS)へ。
- 左側リストから 「PDFセキュリティ」 を選択。
- 「セキュリティの設定を有効にする」 のチェックを外す(または「コピーを許可」オプションがあればチェック)。
- OK をクリックして設定を保存。
- PDFを再度開き、テキスト選択 → コピーを試行。
この操作は元のファイルを書き換えません。設定を戻すには同じ手順でチェックを戻してください。
2. Google ChromeやMicrosoft Edgeでのシンプルコピー法
2-1. ブラウザにPDFを読み込み
- PDFファイルをブラウザにドラッグ&ドロップ。
-
Ctrl + Aで全文選択後、Ctrl + Cでコピー。 - コピー結果を 「メモ帳」や「テキストエディタ」に貼り付け。
ブラウザが自動でテキスト層を読み込める場合、Adobe Readerを使うよりも早いです。
2-2. 画像だけのPDFの場合
- ブラウザの**「印刷」機能**を利用。
- 印刷先を 「PDFとして保存」 に変えて保存。
- 保存したPDFを OCRツール(以下のステップ)でテキスト化。
3. オンラインOCRサービスを使ってコピー不可PDFをテキスト化
| サービス名 | 特徴 | 利用手順 |
|---|---|---|
| Google Drive | 無料で簡単、Googleアカウントがあれば即可 | PDFアップロード → 右クリック → 「Googleドキュメントで開く」 → 文字選択 |
| Smallpdf OCR | 直感的なUI、複数ページ対応 | ファイルアップロード → OCR実行 → 文字抽出 |
| Adobe Acrobat online | Adobeの品質、DRM解除は不可 | PDFアップロード → OCR → 文字抽出 |
ただし、機密性のある文書はオンラインサービスにアップロードしないでください。
オンラインOCRは無料だと文字数制限や広告が付くことがあります。
4. コマンドラインツールで一括コピー・変換
4-1. PDFTK でコピー許可を付与
PDFTK(PDF Toolkit)はWindows、macOS、Linuxで動作します。
pdftk input.pdf output output.pdf
ただし、PDFTKはコピー保護解除機能はありません。制限解除は原則として不可。
4-2. Ghostscript でテキスト抽出
gs -sDEVICE=txtwrite -o output.txt input.pdf
GhostscriptはページごとにOCR処理は行いませんが、テキストベースPDFなら直接抽出できます。
4-3. Tesseract OCR で画像PDFをテキスト化
- まずPDFを画像に変換:
pdfimages -png input.pdf image-%d.png - 画像をTesseractで文字化:
tesseract image-000.png output - 出力テキストは
output.txt
高度な設定が可能で、言語パックを追加すれば多言語に対応できます。
5. PDFリーダーの拡張機能・プラグインでコピーを試せる方法
| 拡張機能 | 平台 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| PDF Viewer (by Mozilla) | Firefox | テキストの直接コピーが可能 |
| Reader for PDF | Chrome | テキスト抽出と検索機能 |
| Kami | Chrome & Web | PDF上でマーク、テキスト入力、コピー |
ブラウザに「PDF Viewer」を追加すると、Adobe Readerに比べてテキストレイヤーの認識が向上するケースがあります。
6. それでもコピーできない場合の対策
6-1. PDFを別のフォーマットへ変換
-
Microsoft Word との変換を試みる:
ファイル > 変換 > Word文書として保存。 - 変換後にテキストが保持されるケースが多いです。ただし、レイアウト崩れが発生する可能性があります。
6-2. スクリーンショット+OCR
- 必要なページをスクリーンショット(snipping toolやMacの
Command + Shift + 4)。 - Microsoft OneNote の「画像内の文字検索」機能を利用。
スクリーンキャプチャならばPDFに関係なくテキストを取得できます。
6-3. PDF編集ソフトで編集モードに切り替え
- Foxit PhantomPDF や Nitro PDF では「編集」モードを有効に使えます。
- これらはコピー禁止を一時的に解除できる場合があります(ただし、元ファイルのセキュリティは保持されます)。
7. まとめ:ポイントを押さえてPDFコピーをスムーズに
- まずはPDF側のセキュリティ設定を確認 – 「編集不可」なら除去は難しい。
- ブラウザで開く – PDFを直接開いてコピーできるケースが増える。
- OCRを併用 – 画像だけのPDFはテキスト化が必須。
- オンラインツールは機密性に注意 – 機密情報はローカルで処理。
- 複数の方法を試す – 一つの手段で失敗したら別の手段へ切り替える。
「PDFコピーできない」と感じたら、まずは上記のステップを順に実行してみてください。多くの場合、単純な設定ミスや閲覧許可の問題だけであれば、数分でテキストを取得可能です。もしコピー不可の理由が厳格なDRMである場合は、権利者に直接許可を取る以外に解決策はほとんどありません。これを機会に、必要な情報だけを抜粋して効率的に利用する術を身につけてみましょう。


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