PDF のページを 1 ページだけ削除したい、という方は多いです。例えば、一枚の余計な表紙を取り除く、機密情報を含むページを削除して共有する、ページ数を減らしてファイルサイズを小さくしたい、といったケースが挙げられます。
そんな「PDF 1 ページだけ削除する方法」を、無料ツールから有料ソフト、オンラインサービス、コマンドラインまで網羅して解説します。
まずは簡単に行える「オフラインツール」から紹介し、後半では「オンラインサービス」と「コマンドラインツール」に注目。なお、作業前に必ず元のファイルを別名で保存しておくことをおすすめします。
PDF 1 ページだけ削除するメリット
| メリット | 説明 |
|---|---|
| ファイルサイズの削減 | ページが 1 つ削除されると、数 KB 〜数 MB まで軽量化できるケースが多い |
| 情報漏洩のリスク回避 | 機密文書の一ページを削除すれば不正閲覧を防げる |
| 印刷・閲覧時の混乱防止 | 冗長な表紙や重複ページが無くなると読みやすくなる |
| フォーマットの統一 | デジタル版のページ数を統一して扱いやすくなる |
1. 事前準備:必ずバックアップを取る
PDF を編集する過程で失われる情報を防ぐために、元の PDF を別名で保存しておきましょう。
「ファイル名」original.pdf → 「ファイル名」original_backup.pdf
これで万が一操作ミスがあってもすぐに戻せます。
2. オフラインツールで手軽に削除
2‑1. Adobe Acrobat DC(有料)
手順
- Acrobat で対象 PDF を開く。
- 右側の「ページ整理」ツール > 「削除」をクリック。
- 削除したいページ番号を入力(例:
10)し「OK」。 - 「ファイル」 > 「上書き保存」で確定。
ポイント
- ページ番号を正確に入力。
- 連続ページは「10-15」などで一括削除可能。
- PDF の構造が複雑な場合は「ページ整理」→「ページ番号変更」で番号を確認。
2‑2. PDFsam Basic(無料)
「PDFsam Basic」は軽量でクロスプラットフォームに対応している分割/結合ツールです。
手順
- PDFsam を起動し「Split」を選択。
- 「Split by Page Numbers」タブで「ページ数」欄に 1 つだけ削除したいページ番号を入力。
- 「Split」ボタンで実行。
- 出力されたファイルから削除済みのページが除かれています。
注意
- PDFsam で「ページ単位で分割」→「PDF を再結合」することで該当ページを除外する流れもあります。
- UI が少し古い印象ですが、機能は十分です。
2‑3. PDF-XChange Editor(無料/有料)
手順
- PDF として開く。
- 位置情報アイコン(鉛筆とページ)を選択。
- 右クリック →「ページを削除」
- 「OK」で確定。
メリット
- スプレッドシートや図表が混在する PDF でも、ページ削除時にレイアウトが崩れにくい。
- OCR 付きで検索文字列検索も簡単。
2‑4. macOS Preview(標準アプリ)
手順
- Preview で PDF を開く。
- サイドバーにページが小縮図で表示される。
- 削除したいページを選択 → 「サイドバー」→「編集」→「削除」
- 「ファイル」→「上書き保存」。
ポイント
- Preview は軽量で macOS には標準装備されているので追加インストール不要。
- ただし、一括削除やページ番号指定の検索機能はない。
3. オンラインサービスでクイックに削除
オンラインサービスはインストール不要で即座に操作可能です。
ただし、機微な情報を含む文書は「安全な」サイトを選び、HTTPS で通信されているか必ず確認してください。
3‑1. Smallpdf(無料/有料)
- ブラウザで smallpdf.com の「PDFページ削除」ページへ。
- PDF をアップロード。
- ページをクリックして「X」を付ける(削除)。
- 「完了」→「ダウンロード」で保存。
備考
- 無料版は 1 日 2 件まで。
- 有料版は1時間に5,000件まで。
3‑2. ILovePDF
ILovePDF も同様に「PDFページを削除」の機能を提供。
- ページ番号を入力して一括削除が可能。
- アップロードファイルが最大 200 MB まで。
3‑3. Adobe Acrobat Online
Adobe の公式オンライン版。
- Adobe アカウントが必要。
- 1 ページ削除で PDF を再構成。
- 無料トライアルが付随。
4. コマンドラインでバッチ処理
プログラム的にファイルを一括処理したい場合はコマンドラインツールがおすすめです。
以下は主なツールと使い方です。
4‑1. qpdf
qpdf は軽量で高速、逆に PDF を再圧縮し、ページの削除も簡単です。
# -f: 開始ページ、-l: 終了ページ
# 例: 10 ページ目を削除、2 〜 30 は除外しない
qpdf in.pdf --pages in.pdf 1-9 11-30 -- out.pdf
注意
- ページ番号は 1 ベース。
- 出力先は必ず別ファイルにしてください。
4‑2. pdftk
pdftk(PDF Toolkit)は Windows, macOS, Linux で利用可能です。
pdftk in.pdf cat 1-9 11-30 output out.pdf
ヒント
- 「cat」コマンドでページ範囲を指定。
- 「burst」オプションで各ページを個別に抽出でき、不要なページを手動で削除後再結合する手段もあります。
5. 実務でチェックすべきポイント
| チェック項目 | 具体例 |
|---|---|
| ページ番号確認 | ページがずれていると削除対象が正しくなくなる。 |
| 構造の保全 | アノテーションやリンクが失われるかを確認。 |
| PDF バージョン | Acrobat などの古いバージョンが互換性を保てるか。 |
| 暗号化/パスワード | キーワードで保護された PDF は一部ツールで対応不可。 |
6. よくあるトラブルと対策
| 問題 | 原因 | 解決策 |
|---|---|---|
| ページが削除されない | ページ番号が不一致(0 から始まる環境でのバグ等)。 | もう一度番号を確認し、別ツールで試す。 |
| ファイルサイズが変わらない | PDF の内部構造が圧縮済みで、ページ削除後の余白でサイズ差がほぼ無い。 | 追加で「PDF を圧縮」機能を使う。 |
| リンク切れ | 削除したページにリンクしていた箇所が残る。 | リンク設定を再確認し、必要なら再設定。 |
| 元の PDF が壊れる | コマンドライン操作でファイルが上書き。 | オリジナルは必ず別名で保存し、出力は別ファイルにする。 |
7. まとめ
- バックアップを必ず取る
- オフラインツールでは Adobe Acrobat、PDFsam、PDF‑Xchange、Preview が代表的
- オンラインなら Smallpdf、ILovePDF、Adobe Acrobat Online
- コマンドラインなら qpdf、pdftk が一括処理に便利
- 作業後はページ番号やリンク、暗号化設定の確認を忘れずに
PDF に余計なページがあると、ファイルサイズの拡大だけでなく読みやすさも損ないます。
上記のツールや手順を使って、手早く、安心してページを削除しましょう。
最後に、「削除後の PDF をもう一度開き、すべて期待通りに表示されているかを必ず確認」 することを忘れずに。
それが完了すれば、安心して共有や印刷に移れます。


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