導入文
PDF は文書の可搬性とフォーマット保存性を兼ね備えているため、ビジネス文書や契約書、学術論文など様々な場面で使われます。一方で、PDF 内に機密情報を含む場合は「誰でも閲覧できる」状態では保護が不十分です。そこで必要になるのが PDF暗号化。
暗号化を行えば、PDF を開くためにパスワードが必要になるだけでなく、印刷・コピーの制限まで設定できます。
しかし、PDF暗号化は「専門知識がないと難しそう」と感じる初心者の方も多いでしょう。この記事では、PDF暗号化の基本概念から、Windows・macOS・オンラインの手順、そして実際に使える 10 つのおすすめツールを図解とステップ別に紹介します。
「PDFを安全に共有したい」「パスワードを設定したい」など、検索者の疑問に直接答える形で解説しますので、ぜひ最後までお読みください。
PDF暗号化の基礎知識
PDF暗号化は主に 2 種類があります。
-
パスワード認証
- ユーザー パスワード(閲覧許可)
- 所有者 パスワード(編集・印刷・コピー制限)
-
公開鍵暗号化(デジタル署名・証明書)
- PDFを開く前に証明書を提示させる高度な機能
初心者向けでは、まずは「ユーザーパスワード」で保護する方法に絞ります。
暗号化レベルは RC4 と AES(128bit, 256bit)が代表的。AES-256 は最高レベルとして推奨されます。
目的別暗号化レベルの選び方
| 目的 | 推奨レベル | 備考 |
|---|---|---|
| 個人のメモ帳など | RC4 128bit | 軽量だがセキュリティ低め |
| 社内レポート | AES-128 | 標準的なバランス |
| 機密契約書 | AES-256 | 最高レベルで絶対安全 |
| 法的文書 | AES-256 + デジタル署名 | 法的証拠力要件 |
パスワードは 英数字+記号 を組み合わせ、最低 12 文字以上を推奨。
「思い付きで簡単な語」を避け、長いフレーズを暗号化解除に使えるようにしておくと安心です。
Windows で簡単に暗号化する手順
手順 1: 対象 PDF を開く
- Adobe Acrobat Reader DC、PDF-XChange Editor 等を起動。
- 「ファイル」>「開く」から保護したい PDF を選択。
手順 2: 暗号化設定へ移動
- Acrobat: 「ツール」>「保護」>「暗号化」>「パスワード設定」
- PDF-XChange: 「ファイル」>「情報プロパティ」>「セキュリティ」タブ
手順 3: パスワードを入力
- 閲覧パスワード(ユーザー) を設定。
- 所有者パスワード を同時に設定し、印刷・編集等の制限を併設可能。
手順 4: 保存
- ファイルに上書き保存する場合は必ず「別名で保存」し、既存ファイルを上書きしないように注意。
手順 5: 設定確認
- 他端末や別の PDF ビューアでファイルを開き、パスワード入力を求められるか確認。
macOS で暗号化する方法
macOS の 「プレビュー」アプリ だけで簡単にパスワード保護できます。
- PDF を「プレビュー」で開く
- 「ファイル」>「ビットマップを送信」メニューの中に
「パスワードで保護された PDF を保存」があります - ポップアップで「閲覧パスワード」と「所有者パスワード」を設定し、保存
- 保存先で権限が設定されているか確認
Adobe Acrobat for Mac も同様の手順で設定可能です。
オンラインツールで暗号化
インストール不要で手軽に使えるオンラインサービスも多くあります。
主な特徴は以下です。
- 無料版:ファイルサイズ制限や暗号化レベル制限。
- 有料版:AES-256、パスワード保護+印刷制限、ワンタイムリンク生成。
代表的なサービス:
- Smallpdf
- iLovePDF
- PDF2Go
- Sejda
- PDF24
※ 送信前に機密情報を含む場合はオフラインで済むツールを推奨。
オンラインサービスを利用する際は、利用規約・プライバシーポリシーを必ず確認してください。
10 選おすすめツール
| ツール | OS | 無料版機能 | 料金 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| Adobe Acrobat Pro DC | Windows, macOS | 30日無料試用 | $14.99/月 | 最高レベル暗号化、デジタル署名 |
| PDF-XChange Editor | Windows | 無料 | $46.99単一ライセンス | 軽量、広告なし |
| Foxit PhantomPDF | Windows, macOS | 30日無料 | $159/ライセンス | ビジネス向け共同編集機能 |
| Nitro PDF Pro | Windows | 14日無料 | $159.99/年 | ドキュメント比較 |
| PDFelement (Wondershare) | Windows, macOS | 30日無料 | $69/年 | AI 変換機能付き |
| Sejda PDF | Windows, macOS, Web | 50MBまで無料 | €9.95/月 | オンライン+デスクトップ |
| iLovePDF | Web | 無制限無料 (広告) | ¥1,000/年 | 直感的インターフェイス |
| Smallpdf | Web | 2タスク/日無料 | ¥1,200/年 | ビギナー向け |
| PDF24 Creator | Windows | 無料 | 無料 | インストール型 + パスワード設定 |
| LibreOffice Draw | Windows, macOS, Linux | 無料 | 無料 | 開源でファイル変換まで可能 |
何を選べばいいか迷ったら?
- ビジネス利用:Adobe Acrobat Pro DC、Foxit PhantomPDF
- パソコンをフリーにしたい方:PDF-XChange Editor、PDF24
- ウェブ単体で作業したい場合:Sejda PDF、Smallpdf
実演: PDFをAdobe Acrobatで暗号化
- Adobe Acrobat Pro DC を起動
- 「ファイル」>「開く」でファイルを選択
- 左側の「ツール」から「保護」をクリック
- 「暗号化」>「パスワード設定」
- 「ユーザーパスワード」欄に 12文字以上の英数字+記号を入力
- 「所有者パスワード」も設定し、印刷を「許可しない」に設定
-
OKで設定保存、ファイルを保存 - 別の PC で確認すると、閲覧時にパスワードが要求される
鍵解除の注意点
- パスワードが忘れた場合:再設定はできないため、必ずパスワードは安全な場所にバックアップ。
- パスワード解読ツール:一部のツールが存在しますが、合法的な環境でのみ使用してください。
- 古い暗号化レベル(RC4 40bit)は現代のツールでは簡単に復号されます。
- デジタル署名付き PDF を「無効化」すると署名自体の検証が失われるため、法的な証拠として使えるのは保証できません。
よくある質問 (FAQ)
-
パスワードと所有者パスワードの違いは?
ユーザーは閲覧時に入力、所有者は編集/印刷制限等を設定するために使用。 -
PDFを暗号化した後にメールで送ると、相手が開けない?
相手にも同じパスワードを知らせつつ、受信側でパスワード入力ができる PDF ビューアを使用。 -
暗号化した PDF をスキャンにかけると元に戻る?
いえ、暗号化設定はそのまま保持。スキャンにより新しい PDF が生成されるため、再設定が必要。 -
Android 端末で暗号化された PDF を閲覧するには?
Google PDF Viewer で開くと「パスワード」の入力ボックスが表示。 -
複数の PDF を一括で暗号化したい場合は?
PDF24 Creator、Sejda などのデスクトップ版ツールに一括処理機能があります。
まとめ
- PDF暗号化は「閲覧パスワード」と「印刷・編集制限」を組み合わせることで、機密情報を安全に共有できます。
- 初心者でも扱いやすいツールとしては PDF-XChange Editor や PDF24 Creator(無料)から始め、ビジネス用途は Adobe Acrobat Pro DC が圧倒的サポート力で推奨。
- オンラインサービスを利用する際は、送信前に機密情報が漏れないよう注意し、HTTPS で安全に転送できるか確認してください。
- 暗号化の実装は数ステップで完了します。ぜひ今回学んだ手順を使って、重要文書を確実に保護してみてください。


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