PDFを編集不可にする方法: 7つの簡単ステップで安全に保護
はじめに
PDFは「一度印刷したらいつでも真似できない文書」というイメージで使われることが多いですが、実際には編集・コピーが可能なケースも多々あります。契約書、許可証、報告書などを共有する際に、意図せぬ変更を防ぎつつ閲覧だけを許可したいと考える場面は頻繁に発生します。そこで今回紹介する7つのステップを実践すれば、PDFを編集不可にし、情報漏えいや改ざんリスクを大幅に抑えることが可能です。
ポイント
- 編集を完全に封印するには「パスワード保護」と「アクセス許可の制限」を併用するのが効果的。
- 既製ソフトを使う場合でも、設定項目を見落としやすいので必ず「詳細設定」を確認する。
- 設定後は必ず別PCなどで一度開いて確認し、意図した通りに制限がかかっているかをチェックすること。
1. 事前に編集不可にしたいPDFの内容を整理する
編集不可にする前に、まず「何を禁止したいのか」を明確にしておきましょう。
| 目的 | 禁止内容 | 具体策 |
|---|---|---|
| 情報漏えい防止 | 文字の削除・追加 | 編集禁止 |
| 署名の改ざん防止 | 署名部分の改変 | デジタル署名 + 編集禁止 |
| 公式文書の守り | 画像の差し替え | 編集禁止 |
| 再利用防止 | コピー&ペースト | コピー禁止 |
このように禁止したい項目ごとに制限を設定できることを念頭に置くと、設定画面でのチェックがスムーズになります。
2. Adobe Acrobat Pro DC を使った「編集不可」設定
Adobeは業界標準のPDFエディタで、細かなアクセス権を設定できます。以下はAdobe Acrobat Pro DC で編集不可にする手順です。
- PDF を開く
Adobe Acrobat を起動し、保護したい PDF をドラッグ&ドロップで開く。 - 「保護」タブを開く
上部メニューから「保護」→「パスワードを使用して保護」をクリック。 - 「印刷、編集、コピーの許可」設定
- 「印刷・編集・コピーの許可」オプションを オフ にする。
- 「PDF ファイルを編集するにはパスワードが必要」チェックを入れる。
- パスワード設定
- 編集パスワード(開発者が設定)
- 権限設定パスワード(閲覧者が設定)
画面に表示される指示に従い、強力なパスワード(英大文字・小文字・数字・記号を混ぜた12文字以上)を入力。
- 確認画面で「OK」をクリック
すべて設定が完了したら、PDFを保存し再度開いて編集ができるか確認。
Tip:
「パスワードに関しては、同じ文字列が安全でないため、毎回異なる文字列を使うとより安全です」
3. オープンソースツールで簡易保護:LibreOffice Draw
Adobeは有料ですが、無料で手軽に編集不可を設定したい場合は LibreOffice Draw も選択肢になります。以下は手順です。
- PDF を開く
LibreOffice Draw を起動し、「ファイル」→「開く」で対象PDFを選択。 - 「ファイル」→「PDFの作成」
「ファイル」メニューから「PDFの作成」を選び、出力設定画面へ。 - 「セキュリティ」タブで設定
- 「パスワードを使ってファイルを保護」チェックを入れる。
- 「編集・表示の許可」: すべてオフにする(編集・コピー・印刷禁止)。
- パスワードを入力
「権限パスワード」と「開くパスワード」をそれぞれ設定。 - 「OK」をクリックして再保存
同じファイル名で上書き保存か新しいファイル名で保存。
LibreOffice Draw だけでは AES 128bit ほどの暗号化しか入らないため、極めて機密性の高い文書には向かない点を覚えておいてください。
4. オンラインサービスを活用する:Smallpdf・PDF24・PDF.io
手元にソフトウェアが無い場合、信頼できるオンラインサービスを利用すると便利です。ここでは「Smallpdf」を例に取ります。
- ウェブサイトにアクセス
Smallpdf の「Protect PDF」ページにアクセス。 - ファイルをアップロード
フォルダからファイル選択、またはドラッグ&ドロップでファイルを送信。 - パスワード設定
- 「PDF を保護するためのパスワード」を入力。
- 「編集不可」「コピー不可」「印刷不可」のチェックボックスをすべてオンにする。
- 「PDF を保護」ボタンをクリック
変換処理が完了するとダウンロードリンクが表示されます。 - ダウンロードし確認
ダウンロードしたPDFを開き、権限設定が正しく適用されているか確認。
注意点
・クラウドにアップロードされるため、極めて機密性の高い情報は自前のサーバーで処理した方が安全。
・無料版ではファイルサイズが制限される場合があります。
5. コマンドラインでの高速保護:qpdf
Linux・macOS ユーザーなら qpdf で一括保護を行うことができます。
# qpdf インストール
sudo apt-get install qpdf # Debian系
brew install qpdf # macOS
# PDFを編集不可に設定
qpdf --encrypt userpw ownerpw 128 0 --no-dereference \
original.pdf protected.pdf
userpwは閲覧者が知る必要がない「表示パスワード」ownerpwは権限を決定する「所有者パスワード」128は暗号化強度(128bit AES)
コマンドベースの処理は大量ファイルや定期的なレポート作成時に作業効率が向上します。
6. PDF/A で長期保存用に編集不可にする
PDF/Aはアーカイブ版PDFで、長期保管を目的とした規格です。PDF/Aに変換すると、編集機能が制限されるだけでなく、フォント埋め込みやメタデータ削除なども自動で行われます。
| 変換サービス | 手順 |
|---|---|
| Adobe Acrobat Pro DC | 「ファイル」→「名前を付けて保存」で「Adobe PDF/A」形式を選択。 |
| LibreOffice Draw | 「PDFの作成」で「PDF/A」を選択。 |
| オンラインツール | Smallpdf の「PDF を PDF/A に変換」。 |
PDF/A 変換後に改めて「設定」→「編集不可」を重ねることで、より強固に編集を防止できます。
7. 変更不可を確認するためのテスト項目
保護を終えたら最後に必ず次の項目を確認しましょう。
- 閲覧権限で開けるか
ファイルをダブルクリックし、閲覧時にパスワードを求められるか確認。 - 編集モードが起動しないか
Adobe Reader で「編集」→「文字を編集」や「オブジェクトを編集」が灰色になっているかチェック。 - コピー&ペーストが不可か
テキストを選択してコピーし、別のテキストエディタに貼り付けてみる。 - 印刷が禁止されているか
印刷コマンドを実行すると「印刷不可」と表示されるか確認。 - メタデータやバイナリ情報が残っていないか
pdfinfoやexaなどでメタデータを確認。
実測例
- Adobe Reader で PDF を開き、右上の「編集」→「文字を編集」をクリックしても「文字を編集できません」というダイアログが表示されます。
- テキストを選択 → コピー →メモ帳で貼り付けると、空白が貼り付けられるだけで内容がコピーできません。
まとめ
- Adobe Acrobat Pro DC でパスワード+アクセス許可を設定し、最も確実に編集不可にできます。
- 無料で手軽に保護したい場合は LibreOffice Draw あるいは オンラインサービス を併用。
- 自動化や大量処理には qpdf や PDF/A 形式 の活用が有効です。
- 保護後は必ず「変更不可」を実際に試して確認しましょう。
これらの手順を踏むことで、PDFを安全に保護し、情報漏えいや改ざんのリスクを最小限に抑えることができます。あなたのビジネス・プロフェッショナルなライフスタイルに、必ず役立つはずです。


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