はじめに
PDF を 8 分割にするという作業は、論文の章ごとに配置した資料を別ドキュメントに分割したいときや、多数ページの報告書をそれぞれのプロジェクトに分けて共有したい場合によく起きるタスクです。
「PDFをどうやって分割するの?」「どのツールが一番便利?」と悩む読者の疑問に、初心者でもわかりやすい手順とツール比較で答えます。
作業のフローを図式化し、必要に応じてオンライン/オフライン、無料/有料、コマンドラインといった選択肢を整理しました。
PDF 分割の基本概念
PDF は「ページ」単位で構成されており、分割とは指定したページ区間を新しいファイルに切り出す操作です。
- 均等分割:ページ数が 8 であれば 1 ページずつ、ページ数が 16 なら 2 ページずつというように均等に区切ります。
- 区切り手動:特定のページ番号を指定して分割(例:1-5, 6-10 など)。
- オート・スキャン:ページ番号でなく「ページに含まれる文字列や画像」などを自動で検出・分割する高度な機能を持つツールもあります。
今回の解説では「ページ番号を使って 8 分割」するシナリオに絞ります。
① オンラインツールで簡単分割
オンラインツールはソフトをインストールせずブラウザだけで完結でき、初心者に最適です。
1. Smallpdf
-
サイトへアクセス:
https://smallpdf.com/jp/pdf-split - PDF をアップロード
- 「ページごとに分割」を選択(8 分割するには「1-8」「9-16」等を手動で指定)
- 分割後のファイルをダウンロード
メリット
- 直感的な UI
- ファイルサイズが 5GB まで無料
- 1 回 20 通話程度で完了
デメリット
- プライバシーが懸念される(業務機密ファイルは避ける)
- 大量アップロード時に速度が落ちる
2. ILovePDF
-
https://www.ilovepdf.com/jp/split_pdf - アップロード → 「ページごとに分割」
- 9 ページ目以降のファイルで自動 8 つに分割する設定がある
ポイント
- 直接「特定ページを区切り」に設定できるので、手入力で分割範囲を指定する手間が省けます。
② 無料デスクトップソフトで分割
PC にインストールすればインターネットなしでも作業できます。
1. PDFsam Basic(PDF Split and Merge)
ダウンロード : https://pdfsam.org/download-pdfsam-basic/
操作手順
- Splitting> Split by size/Pages を選択。
-
Page range に
1-8, 9-16, …と入力。 - 出力フォルダと名前を設定し「Run」。
長所
- 高速で処理が完了
- PDF の暗号化を解除しない限り、暗号付きファイルはそのまま扱える
- 無料で商用利用可
短所
- UI がやや古い
- 一度に多くのファイルを分割するとメモリ負荷が増える
2. PDF-XChange Editor(無料版)
https://www.tracker-software.com/product/pdf-xchange-editor
無料版は 5 ページまでの分割に制限がありますが、オフラインで高速に処理できます。
③ 有料・高度機能ツール
ページ数が多い、または「ページ番号ではなく本文のキーワードで区切りたい」ケースにおすすめ。
1. Adobe Acrobat DC
操作手順
- ツール > 分割 を選択。
- 「ページ数」で 8 に設定。
- 「オプション」からページ番号やページ範囲を定義。
特長
- PDF の編集、OCR、署名等も同時に行える
- ヒアリングで自動でページ番号を検出し分割
注意
- 月額 10,000 円前後(国バラつき)
- 企業向けにパッケージがある
2. Foxit PhantomPDF
公式サイトからダウンロード -> ファイル > 分割 > 8 で分割 です。
- Adobe と同等の機能で、やや軽量。
④ コマンドラインで高度自動化
デスクトップツールが足りない場合、スクリプトで一括処理できます。
1. PDFtk(PDF Toolkit)
インストール : brew install pdftk / apt-get install pdftk
コマンド例
pdftk input.pdf burst output split_%02d.pdf
これで 1 ページずつ split_01.pdf 等に分割。
8 分割にしたい場合は seq で範囲指定すると便利。
2. PyPDF2(Python ライブラリ)
from PyPDF2 import PdfReader, PdfWriter
reader = PdfReader("input.pdf")
pages_per_part = len(reader.pages)//8 # 8 分割
for i in range(8):
writer = PdfWriter()
for j in range(pages_per_part*i, pages_per_part*(i+1)):
writer.add_page(reader.pages[j])
with open(f"part{i+1}.pdf", "wb") as f:
writer.write(f)
- スクリプトを変えるだけで、分割方法を柔軟に変更可能
- 既存の自動化ワークフロー(CI/CD など)に統合しやすい
⑤ 分割のベストプラクティス
-
ファイル名とメタ情報を確認
分割後、ファイル名に分割順序を付与し、後で混同しないようにします。 -
ページ数のバランス
均等に分割したい場合、ページ数が 8 で割り切れないと余白ページが生まれます。
その際は「前方または後方に空白ページを挿入する」オプションを使用。 -
暗号化ファイルの場合
無料ツールは暗号化解除できないケースが多いので、事前に Acrobat で暗号解除するか、PDFtk のpdftk file.pdf input_pw password output clear.pdfを使ってください。 -
データの整合性チェック
分割後、ページが欠けていないか、順番が崩れていないかを確認。
pdfinfoコマンドでページ数を自動比較するスクリプトも便利。 -
ファイル形式を統一
分割したファイルが JPEG などの画像化されている場合は、PDF 化し直すと後続操作が楽になります。
⑥ よくある質問(FAQ)
Q1. 8 分割したいページ数が 17 のときはどうすればいい?
A1. 17 ページを 8 つにするなら「2 ページ/1 ページ/3 ページ」のように手動で区切ります。
オンラインツールでは手入力範囲を指定、PDFsam では「Specific Pages」オプションを使用。
Q2. PDF が暗号付きで分割できない。
A2. Adobe Acrobat でパスワードを入力し「セキュリティ > パスワードを解除」してから PDFsam で処理。
コマンドラインでは pdftk の input_pw オプションでパスワードを渡せます。
Q3. 大量ファイルを一括で 8 分割したい。
A3. for ループを組んだ Bash スクリプトや Python スクリプトで pdftk / PyPDF2 を呼び出すと自動化できます。
例:
for f in *.pdf; do
pdftk "$f" burst output "${f%.*}_part_%02d.pdf"
done
⑦ まとめ
- 初心者 には Smallpdf や ILovePDF のオンラインツールが「ボタン一つで完了」する点で安心です。
- PC で作業したい 場合は PDFsam Basic が無料で高機能。
- 高度整備(OCR、セキュリティ設定、業務自動化)を求めるなら Adobe Acrobat DC が最適。
- スクリプト化 を望む方は PDFtk、PyPDF2 が汎用性があります。
分割した PDF を再利用する場合は、ページ番号、ファイル名、格納場所 を統一して整理すると後続作業がスムーズです。
どの方法を選んでも、必ず「分割前のバックアップ」を取ってから作業を進めるようにしましょう。
最後に
PDF を効率的に 8 分割できる方法を知れば、資料のアップロードやメール共有がずっと楽になります。
ぜひ、今回紹介したツールを試し、用途に合わせて最適な手順を見つけてください。


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