はじめに
PDFは「Portable Document Format」の略で、レイアウトやフォント、画像が固定されるため、印刷物や公式書類としては非常に安定した形式です。しかし、PDFに埋め込まれた図形を「回転」させる必要が出てきたときには、ちょっと手間が増えてしまいます。この記事では、初心者の方向けに、PDF内の図形をシンプルに回転させるテクニックを、Adobe Acrobatや無料ツールを使って紹介します。最後まで読めば、「好きな角度で図を配置できるよ」と自信を持って言えるはずです。
PDF図形とは何か?
PDF内の図形は、以下のような情報を持っています。
| 認識できる図形の種類 | 具体例 |
|---|---|
| 直線・パス | 図面の線分やベジェ曲線 |
| 文字 | 日本語や英数字、特殊文字 |
| 画像 | PNG、JPG、TIFF などの埋め込み |
| フォグラフィックオブジェクト | ベクトル描画(図の枠・シェイプ) |
図形がベクトルである場合、回転・拡大・縮小などの変換が「ピクセル化」されることなく行えます。一方、埋め込み画像はピクセル単位なので、回転するときに解像度が落ちたり、シャープネスが劣化したりします。この記事では主にベクトル図形を想定していますが、画像回転を行う場合は別途注意点を記載します。
- Adobe Acrobat Proで図形を回転させる方法
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1-1 まずはツールを選ぶ
- Acrobat Pro DC(最新版)をインストール済み
- PDFファイルを開く
[ファイル] - [開く] - 目的のPDFを選択
1-2 「編集」モードへ切り替える
上部メニューの [編集PDF] をクリックすると、編集ツールバーが表示されます。ここに「図形、テキスト、画像などのオブジェクトを選択・編集」を行うツールが集約されています。
1-3 対象の図形を選択
- 画面右側に表示される「オブジェクト選択」アイコン(四角形の中に点があるアイコン)をクリック
- PDF内の目的の図形をクリックすると、ハンドル(四隅と中央に小さな四角)が表示される
TIP
図形やテキストを同時に選択したいときは、マウスカーソルが「+」になるまでドラッグして範囲選択してください。
1-4 角度を入力して回転
図形を選択した状態で、上部「オブジェクト」パネルが表示されます。そこで「回転角度」欄に数値を入力し、Enter キーを押します。
- 例:
45と入力 → 45度時計回りに回転 - 負値を入力すると反時計回り
| 入力 | 結果 |
|---|---|
| 90 | 90度回転 |
| -90 | 反時計90度 |
| 180 | 1/2回転 |
| 0 | 元の姿勢 |
オプション:角度をカスタムで設定
- [オブジェクト] メニュー → [角度] → [カスタム] を選択すると、ドラッグで直感的に回転できます。
1-5 変更を保存
- [ファイル] - [保存] で上書き保存
- もしくは [名前を付けて保存] で別名保存
注意
選択した図形がテキストオブジェクトの場合、回転は適用できますが文字列自体は左から右へ続く行の向きが固定されるため、文字列全体を回転したい場合は「テキストを図形化」してから行うか、画像化して回転させる必要があります。
- 無料ツールで図形を回転させる方法
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Adobe Acrobat Pro が手に入らないときは、無料で利用できるオープンソースやオンラインサービスを活用しましょう。以下は代表的な例です。
2-1 PDF-XChange Editor(Windows)
PDF-XChange EditorはほとんどのPDF操作を無料で実行できます。
| 手順 | 内容 |
|---|---|
| 1 | PDF-XChange Editor を開く |
| 2 | [編集] タブ → [図形を編集] を選択 |
| 3 | 回転させたい図形をクリック → 右クリックメニューから [回転] を選択 |
| 4 | 数値入力(度数)またはドラッグで回転 |
| 5 | [ファイル] → [保存] で反映 |
備考
無料版では「回転角度の数値入力」機能が無く、角度の微調整は手動になります。
2-2 LibreOffice Draw(Windows/Mac/Linux)
LibreOffice の Draw は PDF を読み込み、図形を編集できる強力ツールです。
| 手順 | 内容 |
|---|---|
| 1 | LibreOffice Draw を起動 |
| 2 | ファイル → 開く で PDF をロード |
| 3 | 図形を選択 → 右クリック → 図形のプロパティ を開く |
| 4 | 「書式」タブ → 「回転角度」欄に度数を入力 |
| 5 | ファイル → PDFとしてエクスポート で保存 |
TIP
PDFを開くときに「複数ページを分割」にチェックを入れると、ページごとに別ファイルとして読み込めます。大きなドキュメントの場合は便利です。
2-3 Smallpdf:オンライン無料ツール
Smallpdf では「PDF 変換」機能を使って画像化してから編集するという手法があります。
| 手順 | 内容 |
|---|---|
| 1 | ブラウザで Smallpdf を開く |
| 2 | PDF to JPG で PDF を画像に変換 |
| 3 | Photoshop などで画像を回転 |
| 4 | 画像を PNG/TIFF で保存し、JPG to PDF で再度 PDF 化 |
留意点
画像化すると解像度が下がる恐れがあります。高解像度設定を推奨します。
- 一般的な落とし穴とトラブルシュート
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| 症候状況 | 原因 | 対処法 |
|---|---|---|
| 回転が反映されない | 変更を保存していない | ファイル → 保存 を忘れずに。 |
| 角度がちょっとずれる | 画面上でドラッグしただけで微調整を忘れた | 数値入力に切り替えて正確に設定 |
| 文字列が上書きされる | テキストオブジェクトをシェイプ化していない | テキストを図形化 → 回転 → テキスト化 |
| 画像がピクセル化 | 画像をそのまま回転 | 画像をベクトルツールで変換、または高解像度で再変換 |
| PDFが破損する | 過剰な編集や非互換ツール使用 | 編集前にバックアップを取る |
よくある質問
-
Q1. 4K PDFを回転するとサイズが変わってしまう。
A1. 4K解像度自体は変わりません。ただし、PDFのページサイズは縦 × 横が固定されるため、回転すると「横が長くなる」形で表示されます。ページサイズを変更したい場合はページサイズを変更で再設定。 -
Q2. 回転後にテキストのフォントが変わる。
A2. 既存のフォントが埋め込まれていない場合、Acrobatが代替フォントを自動挿入するために見た目が変わることがあります。PDFを作成したアプリでフォントを埋め込むか、Acrobatのフォント埋め込み設定で再調整してください。
- 応用テクニック:複数図形を同時に回転
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複数の図形を同じ角度で回転させたい場合、以下の手順がおすすめです。
ステップ 1: 図形をまとめる
| ツール | 手順 |
|---|---|
| Acrobat Pro | 編集PDF → オブジェクト → 複数選択(ドラッグ) |
| LibreOffice Draw | Ctrl + クリックで複数選択 |
ステップ 2: 回転を適用
| ツール | 手順 |
|---|---|
| Acrobat Pro | 選択した領域の角度を入力 |
| LibreOffice Draw | 選択した図形のプロパティから回転角度を設定 |
ステップ 3: 位置合わせ
- 回転後にズレが出る場合は
整列ボタンを使い、中央揃え・縦横揃え を行います。
- PDF図形回転を行う前に準備すべきチェックリスト
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| 項目 | 内容 |
|---|---|
| バックアップ | 元ファイルを必ず別名で保存 |
| PDF形式の確認 | PDF/Acrobat 1.x では編集機能が限定 |
| フォント埋め込み | テキストの見た目が崩れないように |
| 解像度 | 画像化する場合は 300dpi 以上に設定 |
| 互換性 | 使うツールが対象バージョンと互換 |
- まとめ
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- 初心者の方は「Adobe Acrobat Pro」を持っているか、ないかで選択肢が変わります。Acrobat Pro なら数値入力で確実に回転できます。
- 無料ツールとしては PDF-XChange Editor、LibreOffice Draw、Smallpdf が手軽です。選択肢を増やすことで、環境に合った作業が可能になります。
- 回転だけでなく、角度を反映した後は必ず保存し、バックアップを忘れないようにしましょう。特に公式文書や契約書などでは誤操作が大きな影響を与えます。
- 画像を回転させる場合はピクセル化に注意し、高解像度設定で変換するか、できる限りベクトル化してから回転すると品質を保てます。
以上のポイントを押さえていただければ、PDF内の図形を自由に回転させ、レイアウトを自在にコントロールできるようになるはずです。ぜひ実際に試し、あなたのPDFを思い通りに仕上げてみてください。


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