PDFを別ファイルからすばやく結合したいと考えている初心者の皆さんへ。
結合作業は「単なるコピー&ペースト」や「オンラインアップロード」だけで終わらせられるものですが、実際に多数のファイルを扱うと作業量が膨大になり、時間もかかります。
この記事では、スピードを最優先に考えた結合手順を解説し、さらに「初心者」でも直感的に使えるツールやコマンドラインの裏技を紹介します。
目次を追いながら、ぜひ自分の作業スタイルに合った方法を見つけてください。
まずは結合の目的をはっきりさせよう
- データの整理
例: 授業資料、報告書、請求書を一冊にまとめる - 共有のしやすさ
フォルダ数が多いと共有がしにくいので、PDF1冊にして送付する - 印刷コスト削減
1枚ずつではなく、まとめて印刷
結合する理由を先に決めておくと、使うべきツールや作業フローが自然と見えてきます。
1. 知っておきたい3種類の結合ツール
| ツール | 特徴 | 使い方のイメージ | 料金 | 推奨用途 |
|---|---|---|---|---|
| PDFsam Basic | デスクトップアプリ, 無料, GUIで直感的操作 | ファイルをドラッグ&ドロップし、結合ボタンを押すだけ | 無料 | 小〜中規模の結合, ①初心者向け |
| Adobe Acrobat Pro DC | 高機能, クラウド連携, PDFのエディットも可能 | 「ツール > PDFを結合」→ファイル選択 | 月額約¥1,300 | 大規模連携, ①業務標準 |
| PDFtk Server | コマンドライン, クロスプラットフォーム | pdftk a.pdf b.pdf c.pdf cat output merged.pdf |
無料 | バッチ処理, ①自動化 |
ポイント
初学者にはPDFsam Basicを、業務で頻繁に結合する人はAdobe Acrobat Pro DCを、スクリプトで大量ファイルを一括処理したい人はPDFtk Serverを選びましょう。
2. PDFsam Basicで高速結合するステップ
-
ダウンロード&インストール
- Windows/Mac/Linux 版を公式サイトから取得
- 64bit 推奨
-
サンプルフォルダを作成
C:\Users\YourName\Documents\merge_sample- 結合したい PDF をすべてこのフォルダに入れておく
-
PDFsam で「Concatenate」モジュールを起動
- 「New」→「Concatenate」
- 画面左側でファイルをドラッグ&ドロップ
- 必要なら順序変更(上下の矢印)を行う
-
オプション設定
- "Add page labels":ページ番号を付ける
- "Insert blank pages between files":必要に応じて空白ページを挿入
- "Keep original order":ファイル名順で結合
-
実行
- 「Run」ボタンを押すだけで完了
- 結果はデフォルトで同階層に
merged.pdfが作成されます
短時間でやるコツ
- ファイル名に順序を示す番号を付ける(例:
01_資料.pdf,02_報告.pdf)- 画面左下にある「Merge into a single file」スイッチをオンにする(複数ファイルの結合を一括で実行)
3. Adobe Acrobat Pro DC でさらに使い勝手を伸ばすヒント
3‑1. クラウド連携で複数デバイス間の作業が可能
- Adobe Document Cloud に保存すれば、モバイルでも PDF を閲覧・結合できます
- 「ファイル > クラウドに保存」を選択し、すべての作業ファイルを一括でアップロードしておくと、パソコンとスマホの切り替えがスムーズです
3‑2. キーボードショートカットで「クリック回数」削減
| ショートカット | 機能 | 目的 |
|---|---|---|
Ctrl + Shift + O |
PDFを開く → 結合モードに直行 | 画面遷移を短縮 |
Ctrl + Shift + A |
ページを追加 | 順序変更時のドラッグで手間が省ける |
Ctrl + Shift + E |
ファイル結合 → 結合ダイアログ | 一発でモジュール開く |
3‑3. バッチスクリプトで一括結合に自動化
# PowerShell 用スクリプト
$sourceFolder = "C:\Users\YourName\Documents\pdfs"
$outputPath = "C:\Users\YourName\Documents\merged.pdf"
# PDFを結合
& "C:\Program Files (x86)\Adobe\Acrobat DC\Acrobat\Acrobat.exe" `
/t "%$sourceFolder\*.pdf" "$outputPath"
備考: 上記は Acrobat DC のバージョンやインストール場所によってパスが異なるため、実際には AcroRd32.exe の
/tオプションを利用した例です。
4. PDFtk Server でスクリプト化した高速結合
4‑1. PDFtk のインストール
- Windows:
pdftk.jarを入手 →java -jar pdftk.jarで実行 - macOS / Linux:
brew install pdftk-java(mac)やパッケージマネージャでインストール
4‑2. シンプルスクリプト例
#!/bin/bash
# pdfmerge.sh
OUTPUT="merged.pdf"
INPUT_DIR="pdfs_to_merge"
# ファイル名順にソートして結合
pdftk $(ls $INPUT_DIR/*.pdf | sort) cat output $OUTPUT
echo "結合完了: $OUTPUT"
chmod +x pdfmerge.sh
./pdfmerge.sh
便利なオプション
cat A.pdf B.pdf C.pdf output merged.pdfcat A.pdf B.pdf C.pdf cat 3-5 output page34.pdf(ページ3〜5だけ抽出)cat A.pdf B.pdf cat output merged.pdf(ページ順変更無し)
4‑3. シェルで自動リネームと結合
#!/usr/bin/env bash
INPUT_DIR="pdfs"
OUTPUT="merged.pdf"
# ファイル名を 2桁の連番にリネーム
counter=1
for file in "$INPUT_DIR"/*.pdf; do
printf -v new_name "%02d_%s" $counter $(basename "$file")
mv "$file" "$INPUT_DIR/$new_name"
counter=$((counter+1))
done
pdftk "$INPUT_DIR"/*.pdf cat output "$OUTPUT"
こうなると
- すべてのファイルが自動で「01_」などとして並べ替えられ、結合も順序を気にせず実行可能
- 自動化は バッチ作業に最適
5. バッチ結合にかかる時間の見積もりと短縮ポイント
| 作業項目 | スタンダード時間 | 速度向上策 |
|---|---|---|
| ファイルのコピー | 毎ファイル数秒 | ストレージのRAMディスク利用 |
| アプリ起動 | 5‑10秒 | スタートアップで自動ロード |
| ファイル選択 | 10‑30秒 | 既存フォルダ経由でドラッグ & ドロップ |
| 結合処理 | 1‑3秒/1MB | pdfunite や Ghostscript の高速処理設定 |
| 保存確認 | 5‑10秒 | 自動保存設定で手動作業を削除 |
実際に結合時間
- PDF 10ページ × 100ファイル(各10MB) → 約 2‑3分
- PDF 1ページ × 1,000ファイル → 約 10分
→ 大量ファイルは 自動化スクリプト で作業時間を 5‑10% に削減可能
6. ファイル名・フォルダ管理で手間を省くコツ
-
番号付きファイル名
01_契約書.pdf,02_請求書.pdfで順序を決定- 自動結合時にソートで正しい順番を保証
-
サブフォルダで分離
clientA,clientBなど、クライアントごとにフォルダを作る- スクリプト時に
cdだけで切替
-
バックアップ用リンクフォルダ
- 元ファイルは
originフォルダに保管 merged_originに結合結果をコピーしておく
- 元ファイルは
-
メタデータに注目
- ファイルサイズや作成日で重複チェック
- 余計なファイルは事前に削除
7. PDF結合後のチェックポイント
| チェック項目 | 方法 |
|---|---|
| ページ順 | 目視で最初・最後にあるページを確認 |
| ページ数 | 画面上の「ページ数」表示で確認 |
| セキュリティ | パスワード付き PDF もしくは暗号化が解除されているか |
| 品質 | 画像の解像度・テキスト可読性を確認 |
| バージョン | PDF/A 互換性を確保したいなら Acrobat または Ghostscript でチェック |
高速ツールだと「品質が落ちる」ケース
例: PDFtk がバージョン 1.6 以前ではCompressionのオプションが限られている場合がある。
そんな時はGhostscriptを併用して出力品質を調整。
8. まとめ:時間短縮の総合チェックリスト
| 項目 | 推奨アクション |
|---|---|
| ツール選択 | 初心者 → PDFsam Basic, 専門家 → Acrobat Pro DC, バッチ化 → PDFtk Server |
| ファイル整理 | 番号付き命名、クライアント別フォルダ |
| 自動化 | バッチスクリプトまたはショートカット |
| 品質維持 | 文字・画像の確認、必要なら Ghostscript で再圧縮 |
| バックアップ | 元ファイルを別フォルダに保存し、差分を確認 |
作業の大掛かりな部分を 自動化 し、ファイル名で管理 することで結合作業は「数分」から「数秒」に短縮できるようになります。
最後に一言
PDF の結合は、思いの外「作業時間」をほぼゼロにできるシンプルなタスクです。
この記事で紹介したツールと手順をベースに、まずは少数のファイルで実際に動かしてみてください。
一度自動化スクリプトを作ってしまえば、以降は「結合 + アップロード」だけで完了。
時間の余裕が生まれれば、もっと重要な業務へ注力できるはずです。


コメント