イントロダクション
PDFは「閲覧用」を前提に設計されたファイル形式ですが、実務や学習で頻繁に編集を要するケースも増えています。
そんなときに頼りになるのが Adobe Acrobat DC です。
AcrobatはPDFの閲覧・作成はもちろん、テキストの追加・修正、画像配置・削除、ページの入れ替え、コメント付与など、ほぼすべての編集機能 を備えているため、初心者でも「これでOK」だと実感できます。
この記事では、Acrobatの基本に不安がある初心者を対象に、「10分でマスターできる」 5つの編集コツを紹介します。
すぐに試したくなる手順や裏技を盛り込みつつ、ツールの「使い勝手」や「コスト」を正しく理解し、今後のPDF作業をよりスムーズにするヒントも交えてお送りします。
2.1 まずは「Acrobatを起動し、編集するファイルを開く」—基本操作を抑える
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Acrobatを起動
Windowsならスタートメニューから、Macならアプリケーションフォルダから起動します。
(※Acrobat DCは有料版が基本ですが、25日間の無料トライアルがあります。試す際はまずは無料版を使いましょう) -
「ファイル」>「開く」でPDFを選択
ファイルダイアログから編集したいPDFを開きます。 -
編集メニューにアクセス
画面上部の「ツール」タブをクリックし、「PDFを編集」を選択します。
すると、編集モードに切り替わり、テキスト・画像・ページ操作のツールが右側に表示されます。
ポイント
- 「PDFを編集」では、元のレイアウトを崩さずに編集できます。
- 使い始めにツールバーを探すだけでも時間が掛かってしまうので、画面右側のツールバーを最初にチェックしておきましょう。
2.2 テキストや画像を簡単に追加・修正するコツ
a. テキスト編集のワンクリック
- 変更したいテキストの上にカーソルを合わせると、「テキスト編集ツール」 が自動で表示。
- 文字列をクリックすれば直接編集可能。
- フォントやサイズは同様に一括で変更できるので、見出しを統一する際は便利です。
裏技
- 「Ctrl+Shift+T」 で直前に削除したテキストをすぐに復元。
- 「テキスト編集ツール」では「テキスト選択」モードにし、複数行を一度に編集することも可能です。
b. 画像の挿入・置換
- 「PDFを編集」→「画像を挿入」ボタンをクリック。
- ドラッグ&ドロップで画像を配置し、ドラッグで位置調整。
- 既存画像を置き換えるには、「画像を置換」 を利用し、差し替えたい場所をクリックして新しい画像を指定します。
注意点
- 高解像度の画像を入れるとファイルサイズが急増します。必要に応じてJPEGやPNGで圧縮しておくとスッキリ。
- スキャンデータの画像を追加したときは、事前に**OCR(文字認識)**を走らせることで、テキスト検索やコピーができるようになります。
2.3 「ページの入れ替え・削除・結合・分割」を徹底活用
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ページサムネイル(左側ペイン)を開く
サムネイルをクリックすると、全ページのサムネイルが表示されます。
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入れ替え
- スライドのようにドラッグ&ドロップでページ位置を変更。
- 複数ページを選択した状態で右クリックし、「ページの移動」を選択すると、指定した位置へまとめて移動できます。
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削除
- ページを右クリックし、「ページを削除」を選択。
- 「ページ設定」ダイアログで一括削除も可能です。
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結合
- 別のPDFを開いて、サムネイルをドラッグし、既存ファイルへドロップ。
- 「ファイル」>「複数ファイルを結合」で既定の順序で一括結合できます。
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分割
- 「ツール」>「ページ」>「分割」から、ページごとの分割や指定ページ単位で分割設定。
- 出力フォルダを指定し、分割後に複数PDFとして保存できます。
小技
- 「ページ番号を付与」ツールで、ページ番号を自動挿入し、目次の作成が楽。
- 「ページ範囲を指定」で一括印刷する際は、範囲内だけを印刷するように設定すると、紙の無駄遣いがカット。
2.4 コミュニケーションをサポートする「コメント・注釈」の活用
a. コメントの追加
- ツールバーの**「コメント」**アイコン(吹き出しマーク)をクリック。
- 画面下に 「コメントバー」 が表示され、テキストコメント・ハイライト・下線・図形・スタンプなどが選択可能です。
- メモを入れたい箇所にカーソルを合わせ、コメントを入力するとその位置に表示されます。
b. 共有と追跡
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「ファイル」>「共有」>「コメント付きで共有」
- 共有リンクを生成し、相手からの返信を一括で確認できる。
- コメントの状態を「未読」「変更」「解決」などで管理。
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コミュニケーションの記録は、**「コメント履歴」**としてPDFに埋め込まれるため、後から差分確認が簡単です。
活用シーン
- チームレビュー: 変更提案をコメントで指摘し、PDFそのものを修正せずにフィードバックを得られます。
- クライアント対応: 製品仕様書にコメント付きで送付し、要点をハイライトすると、読者がすぐに重要箇所を把握。
2.5 「OCRとセキュリティ管理」で業務効率を最大化
a. OCR(文字認識)でテキスト抽出
- スキャンで作成されたPDFは画像として扱われるので、検索や編集は不可。
- 「ツール」>「テキスト認識」>「スキャンされたページで認識」、もしくは「すべてのページで認識」を選択。
- 言語設定を適切に選び、認識完了を待つだけで、検索・コピーが可能なテキストPDFに変換されます。
b. フォルダとファイルの暗号化
- 「ファイル」>「プロパティ」>「セキュリティ」タブで
- パスワード保護(開く/印刷/編集時のパスワード)
- 権限設定(コピー禁止/印刷禁止など)
- デジタル署名を施すことで、改ざん検出が可能。
- 企業機密情報を扱う際は、**「暗号化」**を行い、安全に共有します。
c. ファイル圧縮で配信をスムーズに
- 「ファイル」>「保存」>「最適化されたPDFとして保存」
→ 画像圧縮や不要オブジェクトの削除でファイルサイズを大幅にダウン。 - アノテーションやコメントも削除したい場合は「PDF最適化」から「不要な注釈の削除」を行えば、さらに小さくなります。
まとめ:初心者でも手軽に使えるAcrobat編集術
- 基本操作を覚える:Acrobatを開き、ツールバーから「PDFを編集」を選ぶだけですぐに編集開始。
- テキスト・画像の追加・修正:ドラッグ&ドロップとワンクリックで簡単操作。
- ページ操作:サムネイルで入れ替え・結合・分割が直感的に。
- コメント機能:レビューやコミュニケーションに活用。
- OCR・セキュリティ:スキャン文書の検索・情報保護を実現。
最初は「Acrobatは高価で難しそう」と感じるかもしれませんが、無料トライアル期間中に上記5つのポイントを試してみることで、PDF編集の基本を身につけることができます。
実務で「PDFをそのまま編集したい!」というニーズが出た際には、ぜひ今回紹介したテクニックを思い出し、スムーズに業務をこなしてください。


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