PDFサイズを劇的に小さくする方法:圧縮ツールと手作業で簡単テクニック解説

イントロダクション

PDF が大きくなるとアップロードやメール送信、クラウドストレージの容量不足など、さまざまなハードルが立ちはさまります。特に大量の画像を埋め込んだレポートや資料を共有する際、ファイルサイズが 10 MB 以上になるケースは珍しくありません。そんなときは「PDF を圧縮したい!」と叫びたくなりますよね。

本記事では、初心者でもすぐに実践できる圧縮ツールの使い方と、手作業で行える PDF のサイズを劇的に縮小するテクニックを紹介します。圧縮後に内容が損なわれないか心配なのもあると思います。そこで「安全に圧縮する方法」も併せて解説します。


1. PDF 圧縮ツールの選び方

1‑1. 無料ツールが使えるのは大きな魅力

  • Smallpdf – ブラウザベースで操作が直感的。最大 2 GB のファイルも扱える。
  • ILovePDF – 同じくオンライン、画像やテキスト分離など細かい設定ができる。
  • PDF‑sam – デスクトップアプリ。Windows・macOS・Linux で動作し、設定は少なめ。

ポイント
無料バージョンで「圧縮」機能が有料版もある場合、まず無料版で試すと安心です。圧縮レベルは「高」「低」「バランス」などが用意されているので、用途に合わせて選びましょう。

1‑2. 高度な設定が必要なときは専門ツールへ

  • Adobe Acrobat Pro DC – PDF の「最適化」機能で画像の解像度やフォント埋め込みの設定を細かく調整出来ます。
  • Ghostscript – コマンドラインで利用でき、批判的な圧縮が可能。スクリプト化すると大量ファイルを一括で処理できます。

ヒント
画像が多い PDF では「画像を圧縮」設定のみを有効にし、テキストの品質はそのままにしてしまうと、画質はほぼ同じでファイルサイズを半分程度に下げられます。


2. 無料オンラインツールでの基本圧縮手順

  1. サイトにアクセス
    Smallpdf の「PDFを圧縮」ページ(URL: https://smallpdf.com/jp/compress-pdf)を開きます。

  2. PDF をアップロード
    「ファイルを選択」ボタンをクリックし、ローカルにある PDF を選択。ドラッグ&ドロップも可能です。

  3. 圧縮レベルを選択
    画面下部に「高」「低」「最適」というオプションが表示されます。

    • 高(Low Quality): 画像解像度を 72 dpi まで下げる。
    • 低(Best Quality): 画像を 150 dpi で保持。
    • 最適(Balanced): 画像とテキストのバランスを考慮。
  4. 圧縮実行
    ボタンを押すと自動で処理。完了後に「圧縮済みファイルをダウンロード」リンクが表示されます。

注意点

  • 圧縮後の PDF を常に確認。文字化け、画像がぼやけていないかチェック。
  • ファイルサイズは、元のファイルと「圧縮率」を比べて 50% 〜 80% 削減されることが多いです。

3. 画像の解像度や品質に応じた「手作業」圧縮テクニック

3‑1. 画像を切り替えて圧縮

  1. 画像の解像度を変更
    画像を 300 dpi で埋め込むとかなり大きくなります。印刷向けなら 150 dpi でも十分です。

    • Pillow(Python ライブラリ)で一括リサイズできます。

      pip install pillow
      
      import os
      from PIL import Image
      
      folder = "imgs"
      for file in os.listdir(folder):
          if file.lower().endswith(('.jpg', '.png')):
              path = os.path.join(folder, file)
              img = Image.open(path)
              img.thumbnail((1200, 800), Image.ANTIALIAS)
              img.save(path, optimize=True, quality=85)
      
  2. 画像形式を変換

    • JPEG であれば quality=85 で 15% くらいの画質差でファイルサイズ半分に。
    • PNG(透過が必要ない場合)は JPEG に変換すると大幅に軽量化できます。
  3. 不要な画像を削除
    使われていない画像は PDF から削除。Adobe Acrobat でページ単位で画像を除去することも可能です。

3‑2. フォントの最適化

  • PDF ではフォントが埋め込まれるとサイズが大きくなります。
  • 全体フォント埋め込み使用した文字だけ埋め込む に変更。

    • Adobe Acrobat: 「ファイル > プロパティ > フォント」から「選択したフォントのみ埋め込み」。
  • さらに、フォントのサブセット化 を有効にすると埋め込む文字数がさらに減らせます。

3‑3. テキストの再埋め込み(OCR)

  • PDF がスキャン画像のみでテキストが検索不可の場合、OCR でテキスト層を追加すると圧縮が難しくなることがあります。
  • スキャン PDF ならば OCR 前に画像を圧縮テキスト層を追加 の順で作業すると、結果はより軽量になります。
  • Tesseract OCRpdfsandwich を組み合わせて手順を自動化できます。

4. Adobe Acrobat Pro DC での「PDF を最適化」詳細

  1. 「ファイル」→「プリフライト」→「PDF の最適化」を選択。
  2. 「画像」タブで「解像度」を 100 dpi に設定、JPEG 厩け率 70% に。
  3. 「フォント」タブで「サブセット」を有効に。
  4. 「オブジェクト」では「不要なオブジェクトを削除」チェック。

実例
元が 12 MB の PDF が 4 MB に圧縮され、ページは全て表示され、文字も完全に検索可能。


5. Ghostscript を使ったコマンドライン圧縮

gs をインストールし、以下のコマンドで一括処理できます。

gs -sDEVICE=pdfwrite -dCompatibilityLevel=1.4 \
   -dPDFSETTINGS=/default \
   -dNOPAUSE -dQUIET -dBATCH \
   -sOutputFile=output.pdf \
   input.pdf
  • /default の代わりに /ebook(品質低め)や /printer(品質高め)を選択可能。
  • -dDownsampleColorImages=true -dColorImageResolution=150 で画像解像度を 150 dpi に固定。

クリエイター向けにスクリプト化すれば、月に数百件を処理する企業でも高速化できます。


6. 圧縮後に必ず行うべきチェック

チェック項目 確認ポイント
文字の確認 文字化け・破損がないか
画像の画質 ぼやけていないか
レイアウト 表や図の位置ずれがないか
目次のリンク アップデート後も機能するか
ファイルサイズ 「圧縮前に比べて」
セキュリティ パスワードや暗号化設定が壊れていないか

7. まとめ:圧縮を成功させるポイント

  1. まずは自動圧縮ツールで試す
    無料で簡単に始められます。
  2. 画像とフォントを見直す
    JPEG の解像度を下げる、サブセット化するなど。
  3. 必要に応じて高度なツールを併用
    Adobe Acrobat で「最適化」、Ghostscript でスクリプト化。
  4. 圧縮後は必ず内容確認
    失われた情報は元に戻せません。
  5. チーム内で圧縮ルールを共有
    皆が同じ手順で作業できれば、品質と効率が維持できます。

PDF が「大きくなると扱いづらい」という悩みは、ツールと少しの工夫で簡単に解決できます。ぜひ今回紹介したテンプレートや手順を自分の業務に合わせてカスタマイズしてみてください。最終的には「サイズが小さくても情報が失われない」PDF を常に作ることが、業務効率とストレス軽減の鍵です。

コメント