はじめに
QRコードは「Quick Response」の略で、スマートフォンのカメラで瞬時に情報を読み取ることができる2次元バーコードです。企業のパンフレットから製品の裏面、学校の配布資料や個人の名刺まで、さまざまな場面で活用されています。
特にPDF資料にQRコードを埋め込むケースは増えており、WebページへのリンクやWi‑Fi設定、デジタルサンプルへの誘導、受付用のQRコード付き名簿など、多岐にわたります。
しかし「PDFにQRコードを入れたい」と思っても、「どうやって作ればいいのか」「無料で簡単にできる方法があるのか」が頭を悩ませるケースが多いのでは?今回は、PDF内にQRコードを埋め込むための手順を徹底解説します。
無料で利用できるツールや、初心者でもわかりやすい操作フローを紹介しつつ、実際に作成するデモンストレーションを行いますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
1. QRコードとは? 〜必要性と仕組み
1.1 QRコードの基礎
- 構造: 白地に黒い正方形(マス目)が配置され、読み取り領域とデータ領域に分かれます。
- エラーレベル: L(低)、M(中)、Q(高)、H(最高)で定義され、画像の破損や汚れに対する耐性が変わります。
- 情報のタイプ: URL、テキスト、電話番号、メールアドレス、位置情報、vCard(名刺)など。
1.2 PDFにQRコードを入れる理由
| シーン | 目的 |
|---|---|
| パンフレット | ウェブサイトリンクへ誘導 |
| 製品パッケージ | 製品サポートURL |
| イベント資料 | チェックインQR |
| 名刺管理 | デジタル名刺共有 |
| 誕生日/招待 | カレンダーリンク |
QRコードをPDFに埋め込むことで、紙媒体とデジタルの橋渡しがスムーズになり、情報の検索性と利便性が大幅に向上します。
2. 事前準備:どのくらいのサイズ・解像度が必要?
- 推奨サイズ: 1㎝×1㎝(約300×300px、300dpi)
- 推奨エラーレベル: M 以上(M で約15%、H で約30%のエラー訂正)
- 解像度: 300dpi の高解像度画像を使用すると、印刷時にぼやけずに読み取り可能です。
ポイント
QR コードが縮小されるほど読み取りにくくなりますので、できる限り大きめに配置し、余白を確保しておくことが重要です。
3. PDFにQRコードを埋め込む3つの基本フロー
| フロー | 特徴 | 使うツール | 難易度 |
|---|---|---|---|
| ① オンライン QR 生成 → PDF編集 | 手軽・無料 | ZXing, QR‑Stuff, PDF24, Sejda | ★ |
| ② Word/LibreOffice で画像挿入 → PDF変換 | 一括処理 | Microsoft Word, LibreOffice Writer | ★★ |
| ③ プログラムで一括生成 & PDF結合 | 高自動化 | Python, jsQR, PDFKit | ★★★ |
以下では、初心者でもすぐに実践できる ① オンライン QR 生成 + PDF編集 を中心に詳しく解説します。
4. 手順①:無料オンライン QR コード生成サイトの活用
4.1 推奨サイト一覧
| サイト | 特徴 | 無料オプション | PDFダウンロード |
|---|---|---|---|
| QR Code Generator | 豊富なフォーマット、エラーレベル切替 | あり | なし(画像のみ) |
| qrickit | 画像で出力、直接PDF化オプション | あり | あり |
| goQR.me | シンプルな UI | あり | なし(画像) |
| ZXing Decoder Online | 生成+デコード統合 | あり | なし |
選び方ガイド
- 3D 印刷や特定のフォーマットを必要としない場合は「QR Code Generator」が使いやすい。
- 複数ページの PDF で一括作成したい場合は「qrickit」のPDF化オプションがおすすめ。
4.2 QRコードを生成する手順
-
URL を決める
https://example.com- もしくは
mailto:you@example.com、tel:+1234567890など
-
QR code generator にアクセス
- 例:
https://www.qrcode-generator.de(日本語サポートあり)
- 例:
-
パラメータを入力
- Content: 先ほど決めた URL など
- Error Correction: M 以上(通常 M=中くらい)
- Size: 300×300px 以上に設定
-
生成ボタンをクリック
- 生成された QR コード画像をプレビュー確認
-
画像を保存
- 右クリックで
名前を付けて画像を保存→ PNG (推奨)
- 右クリックで
5. 手順②:生成した画像を PDF に挿入する
ここでは代表的なツールを3つ紹介します。
5.1 PDF編集ツール(無料) – PDF24
| 手順 | 画面イメージ | 主な操作 |
|---|---|---|
| 1 | PDF24 公式サイト | 「PDF 変換」 → 「PDF to PDF 」 |
| 2 | 「PDFをアップロード」 | PDF をドラッグ&ドロップ |
| 3 | 「編集」 | 画像挿入アイコンをクリック |
| 4 | 画像選択 | 保存した QR 画像をアップロード |
| 5 | 位置調整 | クリック&ドラッグで配置 |
| 6 | 変更保存 | 「OK」→「ダウンロード」 |
注目ポイント
- サイズ変更は左上のアイコンでドラッグ。
- 透明背景 PNG を使うと、紙面に自然に溶け込みます。
5.2 オフィススイート – LibreOffice Writer
- LibreOffice Writer で PDF を開く
- 「ファイル」→「開く」→ PDF を選択(PDF が読み込みモードで開かれます)
- 画像挿入
挿入→画像→ QR 画像を選択
- 配置とサイズ調整
- 画像上で右クリック → 「幅・高さを設定」
- 右クリック → 「配置」→「フローティング」
- PDFとして保存
ファイル→名前を付けて保存→ ファイル種別を「PDF」を選択- 「画像を PDF に埋め込む」をチェックし保存
メリット
- PDFを直接編集できる点。
- 文字レイアウトが崩れにくい。
5.3 オンライン PDF 編集 – Sejda
- Sejda の「PDF 編集」機能にアクセス
- PDF をアップロード
- 右側のツールバーから「画像挿入」を選択
- 画像ドラッグ&ドロップで配置
- サイズを微調整後、右上の「完了」クリック
- 「ファイルのダウンロード」で保存
特徴
- ブラウザ上で完結。
- 無料プランは1時間に3件まで利用制限があります。
6. 手順③:プログラムで一括生成&結合(進化系)
大量の QR コードを作る場合は、Python + qrcode ライブラリと PyPDF2 を使うと自動化が可能です。
import qrcode
from moviepy.editor import ImageClip
from PIL import Image
import os
from PyPDF2 import PdfMerger
# 1. QR コードを生成
def create_qr(data, filename):
img = qrcode.make(data, error_correction=qrcode.constants.ERROR_CORRECT_H)
img.save(filename)
# 2. PDF へ画像を貼り付け
def create_pdf_with_qr(img_path, pdf_path):
img = Image.open(img_path)
from reportlab.lib.pagesizes import letter
from reportlab.pdfgen import canvas
c = canvas.Canvas(pdf_path, pagesize=letter)
width, height = letter
c.drawImage(img_path, width/2-150, height/2-150, width=300, height=300) # 中央配置
c.showPage()
c.save()
# 3. テスト
create_qr("https://example.com/page1", "qr1.png")
create_pdf_with_qr("qr1.png", "page1.pdf")
# 4. 複数ページを一つに結合
def merge_pdfs(pdf_list, output_path):
merger = PdfMerger()
for pdf in pdf_list:
merger.append(pdf)
merger.write(output_path)
merger.close()
merge_pdfs(["page1.pdf", "page2.pdf"], "final.pdf")
利点
- 1,000 件以上の QR コードを自動で生成 & PDF化。
- 動的にテキストや URL が変更可能。
- 大規模印刷(イベント名簿など)に最適。
7. トラブルシューティング
| 兆候 | 原因 | 対策 |
|---|---|---|
| スキャンできない | 画像が小さすぎる / 解像度不足 | 1㎝以上、300dpi 推奨 |
| 読み取りエラー | 背景色がノイズになっている | 背景は白、白黒比を高く設定 |
| PDF の印刷時にぼやける | 画像埋め込み時に低解像度に圧縮された | 画像の品質設定を「無圧縮」または「最高品質」に |
| サイズがズレる | PDF ライブラリのページサイズが異なる | 画像サイズをページサイズに合わせて微調整 |
8. まとめ:簡単無料でPDFにQRコードを埋め込むポイント
| ステップ | 重要ポイント | 推奨ツール |
|---|---|---|
| 1. QR コード生成 | エラーレベル M 以上、サイズ 1㎝以上 | QR Code Generator, qrickit |
| 2. 画像保存 | PNG (高解像度) | |
| 3. PDF へ挿入 | 高解像度・配置調整 | PDF24, Sejda, LibreOffice |
| 4. PDF 出力 | 画像埋め込みオプション確認 | |
| 5. スキャンテスト | スマホで読み取り確認 |
これらを踏まえて操作すれば、紙媒体とデジタルのギャップを橋渡しできる PDF ドキュメントを簡単に作成できます。
印刷物の利便性向上や、情報への即エントリを図っている方は、ぜひ今日からでも試してみてください。


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