業務で頻繁にPDFを扱う環境では、文書の閲覧・編集・署名・管理がスムーズに行えると、作業効率は格段に向上します。
Adobe Acrobat など人気のソフトは機能が豊富ですが、使いこなせる人は少なく、設定やショートカットに時間を取られがちです。
そこで今回は、Mac 専用の PDF エディタ「PDF Expert」を最大限に活用するための 7 つのテクニックをご紹介します。
これらを習得すれば、日常業務における PDF 作業を劇的に短縮でき、チーム全体の生産性向上にも直結します。
PDF Expert の基本を覚えておく
まずは、PDF Expert が持つ代表的な機能をざっくり把握しておくと、以下のテクニックがより実感しやすくなります。
| 機能 | 説明 |
|---|---|
| 編集 | テキスト・画像・ページをドラッグ&ドロップで編集。 |
| 署名 | 電子署名の作成・挿入、署名ブロックの自動保存。 |
| 注釈 | ハイライト・コメント・図形で内容を強調。 |
| PDF 変換 | 画像・Word・Excel から PDF へ、逆も簡単。 |
| OCR | スキャンドファイルを検索可能なテキストに変換。 |
| 共有 | 直接メール送信、リンク生成で共有。 |
| ショートカット | コマンド+キーボードで高速操作。 |
これらをフルに使いこなすと、作業フローで時間がかかる部分が減ります。以下で具体的なテクニックを掘り下げていきましょう。
1️⃣ すぐに編集できるショートカットをマスターしよう
PDF Expert はキーボードショートカットに優れており、マウス操作を最小限に抑えられます。
以下の基本ショートカットを覚えるだけで、数分で編集作業が完了します。
| 操作 | ショートカット |
|---|---|
| ファイルを開く | ⌘ O |
| 新規作成 | ⌘ N |
| 保存 | ⌘ S |
| ページ挿入 | ⌘ ⇧ I |
| ページ削除 | ⌘ ⇧ D |
| 文字選択・編集 | ⌘ E |
| ひとつ前の状態に戻す | ⌘ Z |
| ひとつ戻る | ⌘ ⇧ Z |
| すべて選択 | ⌘ A |
| コピー | ⌘ C |
| ペースト | ⌘ V |
| 印刷 | ⌘ P |
TIP
ページ番号でジャンプしたいときは、⌘ G を押してページ番号を入力。
こうしたショートカットを「ダブルスタート」すると、作業速度が 30 % 以上向上します。
2️⃣ 画面を自由自在にレイアウト管理する
PDF Expert では、複数の PDF を同時に開いてタブで切り替えたり、サイドバーをピン止めしたりすることでスムーズに比較検討できます。
2.1 サイドバーを拡張してタブ一覧を一目で
- 「表示」メニュー → 「サイドバーを固定」
すべてのタブが左側に固定され、アクティブな PDF がハイライト表示されます。 - タブをドラッグして並べ替え
重要度や作業順にタブを並べ替えることで、手順漏れを防げます。
2.2 複数 PDF を並列で表示
- 画面上部のタブを Ctrl + ⇧ クリック すると、タブの内容を分割表示。
- それぞれのウィンドウで 「ページのズーム」 スライダーを微調整し、比較作業がスムーズ。
コツ
「ドキュメント」→「ズーム」→「Fit」
で、全体を表示。必要に応じて「ページ範囲」を選択し、効率的に閲覧。
3️⃣ PDF のテキスト抽出を速攻で行う
大量の紙資料をデジタル化した後、特定情報を抜き出す作業は面倒です。PDF Expert の OCR + スプレッドシート化 を組み合わせると、一括で処理できます。
- OCR 開始
- 「ツール」→「OCR」→「PDF に OCR を追加」
- 言語設定は対象言語(日本語、英語など)に合わせて最適。
- テキストを選択 → 右クリック → 「Export → Spreadsheet」
- 直接 Excel でフィルタリングや集計が可能。
注意点
OCR の精度は元のスキャン品質に左右されるため、解像度が 300 dpi 以上のスキャンを推奨。
それでも誤認識が多い場合は、Google Drive の OCR 機能と併用して二重チェックが安全です。
4️⃣ 署名の自動化で社内承認を加速
紙の署名に比べ、デジタル署名は時間短縮だけでなくセキュリティ面でも優れています。PDF Expert の署名機能を組織内プロセスへ統合しましょう。
4.1 署名ブロックを保存
- 署名を作成(タッチパッド、マウス、画像貼り付け)
- 「保存」→「署名ブロックとして保存」
- 保存したブロックはメニューから即座に呼び出せます。
4.2 署名のテンプレート化
- テンプレートファイル を作成し、各職種・担当者の署名を差し込み済みに。
- 共有フォルダに置くことで、部門横断で一括適用が可能。
4.3 署名の自動検証
- 「ツール」→「署名」→「確認」
- 署名の有効性、変更履歴が即時表示。
- 変わった箇所があると警告が出るため、改ざん防止に役立ちます。
ワークフロー例
- スキャン→PDF
- PDF Expert で OCR → テキスト抽出
- 署名を差し込む → PDF 保存
- 共有リンク送信 → 承認完了
これで、承認フローが電子化され、メールの往復やクラウド上のドラッグ&ドロップで完了します。
5️⃣ 注釈ツールを賢く使い、情報共有を円滑に
議事録や提案書に付箋やハイライトを入れるだけで、読者は重点ポイントを瞬時に把握できます。PDF Expert には強力な注釈機能があります。
5.1 カラーフォルダーでテーマ別メモ
- 「注釈」→「カラー」 から色を設定し、テーマ別に区別。
- 例:青=コメント、赤=修正点、緑=承認済み。
5.2 チェックリスト機能
- 「注釈」→「チェックリスト」
- 進捗管理に最適。
- チェックボックスはオンオフで PDF 自体に状態を残せるため、他者と共有後も確認可能。
5.3 コメントの自動リンク付与
- 注釈をクリックすると、「コメント」ウィンドウで詳細を編集。
- ここに添付ファイル(画像・設計図)をドラッグ&ドロップすると、該当箇所へのリンクが自動生成されます。
6️⃣ PDF の再利用を促進する「ページ抽出」機能
報告書やプレゼン資料の一部だけを抜き出して再利用する場合、ページ抽出が最も手軽です。
- ファイル→「ページ抽出」
- 抽出範囲をドラッグで選択 → 「抽出」
- 「名前を付けて保存」や「別名保存」で別ファイルに。
活用アイデア
- 1 年分の実績報告書を作る際、過去の成果物から必要ページだけを集約。
- 共同作業で、社内文書を「参考資料」や「添付資料」として簡単に共有。
7️⃣ バッチ処理で大量 PDF を一括加工
数百枚の PDF を同時に変換・圧縮したいとき、PDF Expert に標準搭載されている「バッチ処理」を使いましょう。
7.1 バッチ変換設定
- 「ファイル」→「バッチ」
- 変換したいフォーマットを選択(例:PDF→JPG、PDF→PNG)。
- 「オプション」 で画像解像度や圧縮率を設定。
- 「バッチ実行」 で一括処理完了。
7.2 既存 PDF の圧縮
- 「ファイル」→「圧縮」
- レイアウトを崩さずにサイズを平均 30 % 以上削減。
- 大量メールで送付する際に重宝します。
注意
画像が多い PDF では、解像度を下げすぎると画質が落ちるため、用途に合わせて設定を調整。
さらに、圧縮後に必ず内容をチェックすることを忘れずに。
まとめ:PDF Expert の活用で業務が変わる
- ショートカット で操作をスピードアップ
- レイアウト管理 で複数ドキュメントの可搬性向上
- OCR + スプレッドシート化 でデータ抽出を自動化
- 署名機能 で承認フローをデジタル化
- 注釈ツール で情報共有を直感的に
- ページ抽出 で必要部分だけを再利用
- バッチ処理 で大量ファイルを短時間に変換・圧縮
これら 7 つのテクニックを日常業務に取り入れるだけで、PDF 作業に費やす時間は大幅に短縮されます。
ぜひ今日の「PDF Expert」を再発見し、業務効率化の第一歩を踏み出してください。


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