導入
ポスター印刷は、学術発表、イベント、展示会などでよく利用されます。しかし、1枚完結の紙に印刷したい写真や資料が大きすぎて、印刷業者やプリンターで1枚のサイズに収まりきらない場合があります。その際、PDFファイルを**2分割(トライス)**して印刷し、後で貼り合わせる手法が最も手軽かつコストパフォーマンスの高い方法です。
本記事では、初心者の方でも安心して行える「PDFの2分割ポスター印刷」手順を、具体的なツール紹介、実際の設定、注意点、チェックリスト付きでまとめます。 まずは「何の目的で2分割なのか」を明確にするところから始めましょう。
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なぜ2分割にするのか
- 大判印刷機がなくても作成できる
- 予算を抑えられる
- 紙の切れ目が目立ちにくいように設計できる
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どんなファイルを扱うか
- PNG/JPG から PDF への変換
- 既存の PDF(スライド、図表、海報)
2分割ポスター印刷に必要なツール
| タイプ | 推奨ソフト | 特徴 |
|---|---|---|
| PDFビューア | Adobe Acrobat Reader (無料) | 画面上で直接分割プレビューが確認できる |
| 無料オープンソース | Sumatra PDF + PDFsam Basic | 軽量で分割が簡単 |
| Windows | Microsoft Print to PDF + HP Smart | 直接PDF出力可能 |
| Mac | プレビューアプリ | 2分割機能がバンドルされている |
| オンライン | ILovePDF、PDF2Go | ソフトがなくてもブラウザだけで操作可 |
ポイント
① ソフトは操作性の直感さを重視してください。
② 既存の PDF を手元にあるだけで簡単に分割できるツールを選びましょう。
手順①:元の PDF を準備する
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デザインソフトで作成
- Adobe Illustrator、InDesign、PowerPoint など
- 仕上げる寸法を「A0(841 mm × 1189 mm)」や「B0(1000 mm × 1414 mm)」に合わせて設定
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解像度を確保
- 画像を 300 dpi 以上に設定
- 低解像度が原因で印刷時にぼやけるのを防止
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余白(ブリード)を追加
- 各側 3 mm くらいに余白を伸ばし、接着やトリミングでの切れ目を隠す
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PDF としてエクスポート
- "PDF/E" 形式なら印刷時の色精度が高い
- 出力時の圧縮設定は「最高品質」にしておく
チェックポイント
- ファイルサイズが 100 MB を超えないか?
- 画像サイズが合っているか? 300 dpi 以上であるか?
- 余白(3 mm)が設定されているか?
手順②:PDF を 2 分割にする
方法 1:Adobe Acrobat (有料版)
- Acrobat を開く → 「ツール」→「印刷制作」→「タイル印刷」を選択
- 「ページサイズ」を「A0」 (または B0)
- 「タイルサイズを指定」セクションで「幅 2、高さ 1」
- 「ページブリード」には「3 mm」
- 「OK」→「出力先」ダイレクトに PDF を保存
方法 2:フリーソフト「PDFsam Basic」
- PDFsam を起動し、「縦分割」→「2 列」
- 画面上で「X」長さを元PDFサイズの半分に設定、Y はそのまま
- 「入力ファイル」にPDFをドラッグ、出力は自動で分割ファイル
方法 3:オンラインツール (ILovePDF)
- ウェブサイトへアクセス、
Split PDF→Split by pages - 1ページ分割設定で「ページ数ごとに分割」→「2 に分割」
- ダウンロード → 必要に応じて別ファイルへ統合
注意
- 連続した 2 ページを印刷時に順番に貼るだけで完結
- 余白は必ず同じ幅に揃えておく
手順③:印刷業者で印刷
| 項目 | 推奨設定 |
|---|---|
| 印刷紙 | フラットホワイト、ポスター紙、カラーマット |
| サイズ | 「A0」または「B0」分割版 2 倍 (A0÷2) |
| 枚数 | 2 枚 (分割済み) |
| 印刷モード | カラーマッチ(CMYK) |
| 余白 | 最小値で、ブリード付き |
| フォーマット | PDF (標準) |
印刷業者に渡す前に確認
- PDFのバンドル:分割版を1つのファイルにまとめるか、別々に渡すか事前に相談。
- サンプル印刷:予算内で小さめ印刷(A3)でテスト。
- 色設定:RGB → CMYK の変換が正しいか。
- トリミングの有無:切れ目を隠したいなら「トリミング無し」設定を伝える。
手順④:貼り合わせる
- 印刷物の乾燥:印刷直後は湿気やポップアップがないよう 24 時間放置
- 貼る順序
- 左側 -> 右側 (上部が一番高い)
- 余白が一致しない場合は裁断で微調整
- 貼り合わせ
- ポストイーター:温熱で接着、継ぎ目を消す
- テープ貼り:強力双面テープ、クリアシートで仕上げ
- 仕上げ
- 余白の切れ目をカッティングブレードで除去
- 目立たないようにフレームやホールドバーで固定
よくある疑問 Q&A
| 質問 | 回答 |
|---|---|
| A0の紙は多くのプリンターで印刷できない | 2パーツに分割すれば A3/A2 くらいのサイズになり、ハウスプリンターでも印刷可能です。 |
| 色ムラが出るのはなぜですか? | RGB で作成したファイルをそのまま印刷すると色がずれることがあります。CMYK 変換を必ず行いましょう。 |
| 切れ目が大きい | ブリード(余白)を 3 mm 以上確保し、裁断時に余白内を切断すると差が出ません。 |
| 紙質をどう選べばいい? | 重要なイメージはマット紙で、コントラストや光沢が重要なら光沢紙を選択。 |
| 印刷業者に依頼する方が安い? | 小さめの分割サイズなら自宅プリンターで印刷し、切り取り&貼り合わせする方が費用を抑えられます。 |
チェックリスト:失敗しない 5 歩
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デザインの寸法
- A0/B0で作成?
- 余白は 3 mm 以上?
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解像度
- 300 dpi 以上?
- 画像は埋め込み(リンク切れ無し)?
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PDF作成
- “高解像度 PDF/E” でエクスポート?
- ファイルサイズが 100 MB 未満?
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分割設定
- 2 列 1 行で分割?
- ブリード設定を忘れない?
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印刷&貼り合わせ
- 印刷業者にサンプルを確認?
- ポストイーターやテープで継ぎ目を隠す?
まとめ
- 大判印刷がなくても、PDFを2分割すればA0級のポスターを作ることが可能
- 解像度と余白が鍵 – 低解像度や余白不足は印刷時に差を生む
- ソフト選びは操作性 – Adobe Acrobat, PDFsam、オンラインツールを組み合わせる
- 最後の貼り合わせでは余白マッチングに注意し、プロフェッショナルな仕上がりを狙う
- チェックリストでステップごとにミスを防止
これで初心者の方も「自分で PDF を2分割してポスター印刷」できるようになるはずです。ぜひ、この記事を参考に、手軽に高品質なポスターを作成してみてください。✨


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