導入
PDF は「作成したら編集できない」というイメージが根強いですが、実際に必要なのは「ほんの一部のページを削除したり、テキストを微修正したいだけ」ケースが多く、そんな作業には無理に高機能プロフェッショナルソフトを買う必要はありません。
ここでは、初心者でも直感的に扱える無料ツールと、その実際の使用手順をまとめます。ページ削除と文字修正をスムーズに行い、PDF の編集に対するハードルをぐっと下げていきましょう。
なぜ無料ツールを選ぶべきか
| 項目 | 無料を選ぶ理由 |
|---|---|
| 予算 | 学生やフリーランスは予算を抑えたい |
| 学習コスト | 無料だと失敗しても費用がかからない |
| 機能充実 | 最近の無料ツールは必要十分な機能を備えている |
| アップデート | 無料版でも頻繁にアップデートされる |
無料ツールは「使いやすさ」「機能のバランス」が重要です。今回紹介するソフトは、インストールもオンライン操作も極めて単純で、PDFの基礎的編集作業を完結できるものばかりです。
人気の無料PDF編集ツール
1. PDFsam Basic
- 概要:オープンソースの PDF Split & Merge
- 主な機能:ページの削除、挿入、並べ替え、結合
- メリット:GUI はシンプル、Windows/Mac/Linux すべて対応、ファイルの破損が起きにくい
- デメリット:テキスト編集機能は不可
2. LibreOffice Draw
- 概要:LibreOffice スイートのオープンソース版
- 主な機能:ページ編集、テキスト入れ替え、図形挿入
- メリット:複数ページを視覚的に編集でき、印刷品質が高い
- デメリット:扱いが少し重たく、ドキュメント全体を再作成する感覚がある
3. Smallpdf(ウェブ版)
- 概要:ブラウザベースの軽量 PDF 編集ツール
- 主な機能:ページ削除、順序変更、テキスト編集(制限付き)
- メリット:サーバー側で処理、ソフトのインストール不要
- デメリット:アップロード時に通信量が起きる、PDF のサイズ制限あり
4. Sejda PDF Desktop (無料版)
- 概要:多機能 PDF Editor として知られる
- 主な機能:ページ管理、テキスト編集、フォーム入力、結合
- メリット:Windows, macOS, Linux で動く、無料版でも十分活用できる
- デメリット:1日100ページの処理制限あり
5. PDF-XChange Editor
- 概要:軽量で高速な PDF ビューア/編集ツール
- 主な機能:コメント, テキスト追加・削除, ページ操作, OCR も可
- メリット:直感的 UI、バージョンアップが頻繁
- デメリット:特定の高度な編集には有料版が必要
6. PDFescape(ウェブ版)
- 概要:ブラウザ上で PDF を編集できるサービス
- 主な機能:ページ削除、テキスト追加・編集、フォーム入力
- メリット:無料版でも基本機能は充実、インストール不要
- デメリット:ファイルサイズ・ページ数の上限があり、UI がやや古い
PDF からページを削除する手順
a. PDFsam Basic を使う場合
-
インストール & 起動
- 公式サイトからインストールパッケージをダウンロード。
- インストール後、アプリを起動。
-
「Split」モジュールを選択
- メイン画面から「Split」をクリック。
-
PDF を追加
- 「Add」ボタンを押して削除したいファイルを選択。
-
「Split by bookmarks」や「Split by pages」
- ここで「Split by Pages」を選び、ページ範囲を指定。(例:1-3,5-10 → 「4」と「11-xx」だけ残す)
-
出力先を設定
- 出力フォルダーを指定し、右下の「Run」を押す。
-
結果を確認
- 指定した出力フォルダーに、新しいファイルが生成されているか確認。
ポイント
PDFsam は「削除」ではなく「分割」で残したいページだけを作り上げる仕組みです。
作業前に必ず元の PDF のバックアップを取っておきましょう。
b. LibreOffice Draw で直接削除
-
ファイルを開く
- LibreOffice Draw を起動し、
ファイル > 開くから PDF を選択。 - 開く際に「PDF を描画オブジェクトとして読み込む」を選択します。
- LibreOffice Draw を起動し、
-
ページ選択モードでページを削除
- 画面左側のサイドバーから「ページ」タブを開く。
- 削除したいページをクリックし、
Deleteキーで削除。
-
保存
-
ファイル > 名前を付けて保存→ PDF を選び、再生成。 - 必要に応じて「PDF バージョン」を設定:古い PDF を目指すなら「PDF 1.4」。
-
注意
LibreOffice Draw はページレイアウトを保持できる一方で、元のフォーマット(特に複雑なレイアウト)は若干崩れがちです。
重要な資料の場合は必ず確認してください。
c. Smallpdf ウェブ版で削除
-
Smallpdf にアクセス
-
https://smallpdf.com/ja/remove-page
- 「ファイルを選択」またはドラッグ&ドロップで PDF をアップロード。
-
-
ページを選択
- 画面上で削除したいページ番号をクリック。
- 複数選択は
Ctrl/Command キーを押しながらクリック。
-
削除
- ページ番号を選択したら、右下の「削除」をクリック。
-
ダウンロード
- 手順が完了したら
ダウンロードボタンを押し、結果を保存。
- 手順が完了したら
メモ
Smallpdf はブラウザ上で処理されるため、セキュリティ上の懸念があります。
業務機密文書の場合はオフラインツールの利用を推奨します。
PDF 内のテキストを修正する手順
a. LibreOffice Draw でテキストを修正
-
PDF を Draw で開く(上記と同様)
-
テキスト選択
- 画面上のテキストボックスをクリック。
- テキストを直接編集可能になるので、文字を修正・追加します。
-
レイアウト確認
- 変更後のフォントや配置が崩れていないか、プレビューで確認。
-
PDF で保存
-
ファイル > 名前を付けて保存→ PDF を選択。
-
ヒント
LibreOffice Draw はフォントを自動で埋め込む設定もあるため、相手側で表示崩れが起きにくくなります。
b. PDF-XChange Editor で簡単テキスト編集
-
PDF を開く
- PDF-XChange Editor を起動し、
ファイル > 開く。
- PDF-XChange Editor を起動し、
-
「編集」→「テキスト」を選択
- ツールバーの「編集」タブ内に「テキスト」ボタンあり。
-
テキストをクリックして編集
- 編集モードに入るとカーソルがテキスト領域に移動。
- 直接入力や削除、フォントサイズ・色変更が可能。
-
保存
-
ファイル > 名前を付けて保存で PDF 保存。
-
ポイント
PDF-XChange は「オブジェクト単位」で編集できるので、ページ全体のレイアウト変更をせずに箇所だけ修正できます。
c. Smallpdf ウェブ版でテキスト編集(制限付き)
-
Smallpdf の「テキスト編集」ページへ
-
PDF をアップロード
-
テキストをクリック
- 編集したいテキストボックスを選択し、文字を修正。
- 追加は「テキスト」ボタンを押して新たに入力。
-
保存 & ダウンロード
- 「編集を完了」を押して保存、ダウンロード。
注意
無料版では編集可能な文字数に制限があるので、大規模な修正には不向きです。
d. Google ドキュメントでテキスト修正(PDF を変換して)
-
Google Drive へ PDF アップロード
- Google ドライブで新しいファイルをアップロード。
-
「Google ドキュメントで開く」
- PDF 上で右クリック → 「アプリで開く」→ 「Google ドキュメント」
- PDF が Google ドキュメントに変換され、編集可能に。
-
テキストを修正
- Word のように編集。
-
再び PDF に変換
-
ファイル > ダウンロード > PDF ドキュメント (.pdf)で再保存。
-
ヒント
変換時にレイアウトが多少崩れることがありますので、最終確認が必須です。
レイアウトを崩さないためのコツ
| コツ | 詳細 |
|---|---|
| フォント埋め込み | PDF-XChange Editor などで「フォントを埋め込む」設定を有効化。 |
| PDF バージョン | LibreOffice Draw で PDF1.4 以降に設定し、古い環境でも互換性確保。 |
| 元ファイルをバックアップ | 編集前に必ずコピー。 |
| テキスト枠の位置確認 | 編集後に配置がずれていないか、複数ページで横スクロール。 |
複数ページの扱い:分割・結合の基本操作
PDFsam での分割
- 「Split by size」: ページサイズで分割
- 「Split by number of pages」: 指定ページ数ごとに分割
Sejda での結合
- 画面上で PDF をドラッグ&ドロップ
- 「PDF を結合」ボタンを押すだけで完了
よくあるトラブルと対処法
| トラブル | 原因 | 対処 |
|---|---|---|
| テキストが削除されてない | 画像化されている | OCR でテキスト抽出後編集 |
| 切り抜き後に文字が消える | PDF の圧縮設定が高い | 低圧縮で保存し直す |
| 頁数がずれる | 余白設定不一致 | 元 PDF のページ設定を確認し、編集時に同様に設定 |
PDFのプライバシーとセキュリティ対策
-
ローカル編集を優先
- 無料ツールの多くはローカルで完結。オンラインサービスは機密情報に注意。
-
ファイル暗号化
- PDF-XChange Editor でパスワード設定。
- LibreOffice でも「文書の権限設定」からパスワード付与可能。
-
バックアップの保管先
- クラウドを利用する場合は信頼性の高いサービス(Google Drive, OneDrive)を選択。
- 共有リンクは必要に応じて期限付きに。
まとめ
-
無料ツールは十分な機能を持つ
- PDFsam: 分割・結合
- LibreOffice Draw: テキスト編集(レイアウト保守可能)
- Smallpdf / Sejda / PDF-XChange: ウェブ/デスクトップでの軽量編集
-
手順はシンプル
- ファイルを開く
- 必要なページを削除/テキスト編集
- PDF 形式で再保存
-
注意点
- レイアウト崩れに注意
- ファイルを編集する前にバックアップ
- 機密情報にはローカルツールを使用
PDF の編集は「編集」ではなく「軽量な加工」から始めると、思わぬストレスを回避できます。これらの無料ツールを使って、まずは小さな修正から実践してみてください。手順に慣れたら、複数 PDF の結合・分割、さらに OCR で画像化された文字を修正するまでスキルを広げていけるはずです。ぜひ、今日から PDF の小さな編集作業を無料で効率化してみましょう。


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