PDFのプロパティを完全に削除する手順とツールまとめ【最速実践ガイド】Windows・Mac対応

PDFのプロパティとは

PDF(Portable Document Format)は、印刷や閲覧時のレイアウトを保ったままファイルを配布するために開発されたフォーマットです。
しかし、PDFには「メタデータ」と呼ばれる情報が埋め込まれています。
これらのメタデータには以下のようなものが含まれます。

内容
作成者 / 編集者 / 所有者 John Doe
ファイル作成日 / 最終更新日 2023-08-02
ソフトウェア情報 Adobe Acrobat Reader DC 2023.013
カスタムキー ProjectID: 123456
内部ファイル構造情報 PDF version: 1.7
文字検索インデックス 全文検索インデックス

このメタデータは、ファイルの管理や検索を助ける便利な機能ですが、逆に個人情報や機密情報を漏らす恐れがあります。たとえば、仕事で共有したPDFに「あなたの名前」や「会社名」などが埋め込まれていると、第三者に閲覧されるリスクがあります。
そのため、PDFを共有・公開する前に「プロパティ=メタデータ」を完全に削除することが推奨されています。


なぜPDFのプロパティを削除する必要があるのか

團体・状況 必要性
個人情報保護 法的規制(GDPR、CCPA など)に準拠するために、個人情報をPDFから除外
機密情報の漏洩防止 業務で作成した資料に「内部メモ」や「アクセス権情報」が付随
ファイルサイズの軽量化 大量のインデックス情報やテキスト検索インデックスを削除すると、ファイルサイズを数%緩和
検索エンジンへの露出防止 重要な文書をウェブ上に公開する際に、不必要な情報が検索されないように
プライバシー尊重 取引先や顧客のパーソナルデータが不意に漏れることを防止

PDFのプロパティ削除は「完全に」できるのか?

実際にメタデータを「完全に」削除するには以下のポイントを押さえる必要があります。

  1. ファイルの「Document Information Dictionary」(Author, Title, Subject などの標準情報)
  2. XMPメタデータ(Adobe専用の拡張メタ)
  3. ファイルの「Trailer」
  4. オブジェクト内の隠し情報(例:/Infoオブジェクト、カスタムコメント)
  5. 内部ファイル構造情報/Pages/Object Streams 等)

上記を網羅的に処理できるツールを使えば、ほぼ「完全に」削除できます。
ただし、PDFの暗号化(パスワード防護)とメタデータは別要素です。暗号化を解除したあとにメタデータを削除しないと、暗号化で隠れていた情報が残る可能性があります。


Windows から PDF のプロパティを完全削除する方法

1. Adobe Acrobat Pro DC を使う (最も手軽で確実)

  1. PDF を開く
  2. 「ファイル」>「プロパティ」を選択
  3. 「説明」タブですべての項目をクリア
  4. Ctrl + + ボタンの「すべてのプロパティを削除」オプションをチェック
  5. 「OK」を押し、ファイルを上書き保存

ポイント

  • Acrobat 2020 以降は「組み込みメタデータの削除」機能が強化
  • 「文書の保護」>「情報の収集」をオフにするのも有効

2. PDFtk Server(コマンドラインバージョン)

PDFtk の 「cat」機能でリストからメタデータを除外します。

pdftk input.pdf output cleaned.pdf cat 1-9999

注意

  • すべてのページをリストしているので、ページ数に合わせて範囲を調整
  • PDFtk のフリー版は一部制限がある

3. ExifTool(メタデータの徹底削除ツール)

exiftool -all= -overwrite_original input.pdf
  • -all= : すべてのメタデータ項目を削除
  • -overwrite_original : 元のファイルを上書き保存(バックアップ不要)

エラー時の対処

  • PDF が破損している場合は、-alldates (日付情報も削除) を追加
  • -n オプションで数値情報も除去

4. Qpdf(コマンドラインでの軽量化+メタデータ削除)

qpdf --delete-pages= --rotate=90:1 --recompress-streams=y --flatten-acl input.pdf output.pdf

解説

  • --delete-pages= を空にすると、XMP メタデータを除外
  • --flatten-acl はアクセス制御情報を除去

5. 小規模で手軽に → PDF24 Creator

  1. PDF24 をダウンロード&インストール
  2. PDF24 から「ファイル > ファイルを編集」
  3. 「メタデータ削除」を選択
  4. 「ファイルを保存」

コストパフォーマンス

  • 無料で使えるが、UIが単純で初心者向き

Mac から PDF のプロパティを完全削除する方法

1. Preview(標準アプリ)での基本クリア

  1. Preview で PDF を開く
  2. 「表示」>「情報を表示」
  3. 右側の「概要」で Author 等を手動でクリア
  4. 印刷 > 「PDF」>「メタデータをクリア」

限界点

  • XMP メタデータは除外できない
  • 大量の情報を一括削除できない

2. Adobe Acrobat Reader DC for macOS(有料)

  • Windows と同様の手順で完了。但し Mac ユーザーは 7 日間の無料トライアルのみ。

3. ExifTool(Mac 版)

ターミナルで以下実行。

exiftool -all= -overwrite_original input.pdf

パッケージ管理

  • Homebrew 経由で brew install exiftool

4. Qpdf(Mac 版)

qpdf --delete-pages= --flatten-acl input.pdf output.pdf

Qpdf は軽量

  • コマンドラインで完結し、大量ファイルをバッチ処理可能

5. PDFedit(Cocoa)

GUI で手軽に操作。

  • メタ情報タブで「すべて削除」、XMP も同時にクリーンアップ

6. オンラインサービス

  • Smallpdf: 「ドキュメントメタデータを削除」
  • PDF2Go: 「メタ情報を削除」
  • ILovePDF: 「メタデータをクリーンアップ」

注意

  • データのプライバシーに配慮が必要。機密文書はローカルツールを推奨。

メタデータ削除の後には必ず「検証」する

  1. **Adobe Acrobat Pro の「プロパティ」**で確認
  2. ExifTool で再確認
    exiftool input.pdf
    

    出力に No tag values found または XMPDocumentInformation が空であることを確認

  3. プレビュー側に残っていないか
    • Preview で情報ウィンドウを開き、何も表示されないか
  4. ファイルサイズを確認
    • しっかり削除した場合、ファイルサイズは減少します
  5. データ確認ツール
    • PDF-XChange Editor の「メタデータビュー」を利用して検証

落とし穴

  • PDF のバックアップを取っておくこと。
  • 重要なファイルでは、削除後に内容が正しく表示されるか再確認。

まとめ:最速実践ガイド

OS 推奨手順 ツール
Windows ① Adobe Acrobat Pro (GUI) → ② ExifTool (コマンド) Acrobat Pro / ExifTool / PDFtk / Qpdf
Mac ① Preview→ ② ExifTool (ターミナル) Preview / ExifTool / Qpdf / PDFedit
共通 ③ 検証 (Acrobat / ExifTool)
  1. バックアップ ← 重要
  2. まずは Adobe Acrobat Pro で GUI 操作 → 失敗したら ExifTool でコマンドライン
  3. ファイルサイズメタ情報 の確認 → 1〜2回の再検証
  4. 実運用時のルール化 ← バッチ処理スクリプトを作って自動化 (例:exiftool -all= -overwrite_original *.pdf)

メタデータの削除は一度きりの作業でなく、業務プロセス化することで機密情報漏洩のリスクを大幅に下げられます。
ぜひ本記事の手順を参考に、PDF のプライバシー保護を徹底してください。

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