イントロダクション
PDFは「読み取り専用の文書」を意図したフォーマットとして多くの場面で採用されています。学校のレポート・企業の報告書・契約書など、印刷する前に内容を最終チェックしたい場面は決して少なくありません。
macOS標準アプリケーション「プレビュー(Preview)」は、PDFの閲覧だけでなく、印刷前の設定を細かく調整できる便利ツールです。
ここでは、プレビューを使った「印刷前に内容をチェックする」実践テクニックと、設定方法を網羅的にまとめておきます。
「PDFを印刷する時に、誤ってページがカットされていないか?文字が崩れていないか?」と迷っている方は必見です!
1. PDFプリント前の確認ポイント
印刷前に必ず確認したい項目を整理しましょう。
プレビューでは次のような項目をチェックできます。
| 項目 | 具体例 | プレビューでの確認手順 |
|---|---|---|
| ページサイズ | A4、レター、B5 など | ファイル > プロパティ > 「ページ」タブ |
| マージン | 余白が狭くないか | プレビュ― > ツール > 余白を確認 |
| ページの向き | 余白やレイアウトに合わせて縦横を選択 | 印刷ダイアログで「横向き/縦向き」 |
| 拡大縮小 | 1:1 / 100% で印刷するか | 印刷ダイアログの「拡大縮小」欄 |
| ページ範囲 | A6サイズでの分割印刷 | 印刷ダイアログの「ページ範囲」入力 |
| トレース | 文字が途中で切れていないか | ページを拡大し、テキストが完全に揃っているか確認 |
| 注釈・コメント | 追記が正しく反映されているか | 「表示」 > 「コメント」タブで確認 |
2. Preview(プレビュー)での基本設定方法
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PDFを開く
Finder でPDFを選択 → 右クリック > 「プレビューで開く」
あるいは、PDFをダブルクリックすると自動でプレビューが起動します。 -
インタラクションモード
右上の「リーダー」アイコン(ペンのようなマーク)をクリックすると、注釈ツールや拡大縮小ツールが表示されます。 -
印刷ダイアログへ
メニューバーから 「ファイル」→「印刷…」 もしくは ⌘+P を押すと、標準印刷ダイアログが開きます。
ここでは「印刷の範囲・拡大縮小」「用紙サイズ」「余白」などを細かく設定できます。
3. ページ範囲・拡大縮小設定
3‑1. ページ範囲を指定する
PDFの一部だけ印刷したい場合は、以下の手順で「ページ範囲」を設定します。
- 印刷ダイアログ → 「ページ」欄に 「選択したページ」 を選び、範囲 (ex. 1–5, 10, 15) を入力
- 「設定の保存」 ボタンで「プリセット」保存しておくと、次回同じ範囲で印刷が容易になります。
3‑2. 拡大縮小・1:1で印刷
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拡大縮小
10%〜200% などでプリントサイズを変更したい場合は、印刷ダイアログの「スケール」欄に数値を入力します。 -
1:1(100%)印刷
PDFの実寸で印刷したい時は「100%」を入力。
テキストが正しく表示されているか確認する際は、本当に 1:1 で印刷されるか確認するのが安全です。
3‑3. ページの向き
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縦向き
標準だと思いきや、縦横が逆に設定されていると内容が横に倒れます。
印刷ダイアログでは「ページ設定」タブ内の「縦/横」を選べます。 -
横向き(Landscape)
長文・表を横に印刷したい場合に便利。
ただし、A4 として印刷するなら「用紙の向き」だけで済むので「用紙設定」タブを確認してください。
4. マージンと余白の最適化
紙の端に文字が切れるのを防ぐにはマージン設定が不可欠です。
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プレビューの余白表示
「表示」→「ツールバー」→「余白」 をオンにすると、実際の余白がプレビューで表示されます。
余白が足りないときは 「印刷」→「用紙の余白」 で「標準」や「極小」などに変更。 -
PDF自体のメタデータを確認
プレビューに「プロパティ」があるので、そこに「PDF アートボード」(用紙サイズ)が設定されているか確認。
もしサイズが不適切なら別途アドビ Acrobat などで編集して戻しましょう。
5. 予告印刷(サンプル)と PDF の品質確認
5‑1. サンプル印刷で確認
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「ファイル」→「印刷」 のダイアログで
「プリンタ」リストから「プリンタをエミュレート」>「PDFに保存」を選択- これで実際に紙を使わずに PDF で印刷プレビューを確認。
-
ページ設定
「プリンタ名」→「設定」→「ページ設定」で「A4」や「B5」などを確認。 -
出力結果
新しく保存された PDF を開き、実際に印刷した際にどの位置に文字が入るかを確認できます。
5‑2. PDF の解像度・品質
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画像の解像度
PDF 内に埋め込まれた画像が300dpi未満だと印刷時にぼやけます。
プレビューは DPI を自動検出しますが、解像度が低い場合は 「プロパティ」→「詳細情報」 で確認。 -
フォントの埋め込み
フォントが埋め込まれていれば、印刷時に文字化けは起こりません。
「ファイル」→「プロパティ」→「フォント」 で一覧確認。
6. PDF のコメントや注釈を使った確認
印刷前に コメント や 注釈 を確認する手順です。
| ステップ | 行動 | ヒント |
|---|---|---|
| 1 | 「表示」→「コメント」 でコメント一覧を表示 | マージン内にコメントがあるか確認 |
| 2 | コメントの配置と重なりをチェック | コメントがテキストの上に重ならないように編集 |
| 3 | コメントを PDF エクスポートに含める | 「ファイル」→「エクスポート」→「PDF」 のオプションで「コメントをインクルード」 |
| 4 | 実際にプリントプレビューで確認 | 余白内にコメントが入りきっているか確認 |
7. 印刷設定のプロフェッショナルヒント
7‑1. 用紙の種類を正しく選択
プリンタは 「プリンタ」→「用紙サイズ」 で A4、レター、レターボックスなどから選べますが、PDF と用紙サイズが合わないと 切り取り が起きる可能性があります。
- カスタムサイズ
プレビューで 「ページ」→「プリンタ設定」 から「サイズ」を「カスタム」に設定し、正確な寸法を入力(mm・in で指定)。
7‑2. バイオレットカラー・カラーマネジメント
- カラー管理ができないプリンタの場合
PDF の色プロファイルが不適切だと印刷が正しく再現されないことがあります。
「プレビュー」→「ファイル」→「プロパティ」→「色管理」 で「sRGB」か「Adobe RGB」に合わせると良いです。
7‑3. マージンとカットライン
- 「カットラインを自動調整」 のオプションをオンにすると、プリンタが自動で余白を調整。
ただし、プリンタ固有の仕様でカットラインが設定されている場合はオフにして手動で調整したほうが安全。
8. PDF を編集してから確認する方法
8‑1. アドビ Acrobat を使った編集
プレビューでは PDF のレイアウト編集が制限されます。
Adobe Acrobat DC などを使うと、ページを移動・削除・追加・注釈を詳細に編集できます。
- ページ追加
「ツール」→「ページ」→「挿入」→「ページ」 で別紙を追加。 - ページ削除
「ページ削除」を選択し、不要なページを削除。 - テキストの修正
「編集 PDF」でフォント・サイズを変更し、印刷後の見栄えを確認。
8‑2. PDF を再びプレビューで表示
Acrobat で編集後、再度「パス」→「ファイル」→「開く」からプレビューで開き、プレビュー内の「印刷」ダイアログで設定確認。
9. トラブルシューティング:よくある問題と対策
| 問題 | 原因 | 対策 |
|---|---|---|
| テキストが切れる | ページのマージンが設定不足、紙サイズと PDF サイズがずれている | マージンを「標準」または「極小」へ変更、プロパティ の「ページ」サイズを確認 |
| 画像がぼやける | 画像 DPI が低い(< 150) | 画像を高解像度に差し替える、Acrobat で画像再埋め込み |
| コメントが消える | PDF 出力時に「コメントを除外」オプションがオン | ファイル→エクスポート→PDF で「コメントをインクルード」をチェック |
| 印刷プレビューが正しく表示されない | プリンタのドライバが古い | プリンタドライバを最新にアップデート、または「プリンタ名」→「エミュレート」で PDF の確認 |
| 用紙の余白が反映されない | プレイン設定が「印刷可能領域」を無視 | 印刷設定の「詳細設定」→「余白」や「ページの拡大縮小」を調整 |
10. まとめ
プリンタの設定を把握し、プレビューを活用すれば「PDF印刷前の内容チェック」は容易になります。
- 基本は「ページサイズ・マージン・向き・拡大縮小」 の4つ
- 予告印刷でサンプル確認 し、注釈・コメントの可視化 を逃さない
- フォント・画像の品質をPDF のメタデータで確認
- 印刷トラブルが起きたらドライバ・プリンタ設定に原因があることが多い
最後に、印刷前に「プレビューで確認」作業を習慣にすれば、ミスの発生率は劇的に下がります。
今すぐ PDF を開き、実際に「プリント」ダイアログを操作し、設定を試してみてください。あなたの印刷作業が「確実・高品質」になることを願っています。


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