初心者でも手軽に PDF の情報を隠すことができます。
公開前に個人情報や社内機密を保護したい方、インターネット上で安心して共有したい方は必ず知っておきたい、画像やテキストをブラー(ぼかし)する手順とおすすめツール 5 つをご紹介します。
ぼかしで守るべき情報とは?
PDF は文書のレイアウトやフォーマットを確実に保持できるメリットがある一方で、以下の情報を抜けたまま共有するとリスクが高まります。
| 情報 | 具体例 | 影響 |
|---|---|---|
| 住所 | 〒123-4567 東京都千代田区丸の内1-1-1 | 個人情報漏えい、詐欺の種 |
| 連絡先 | 090-xxxx-xxxx | プライバシー侵害、スパム |
| 社内図面・設計図 | 配置図・寸法 | 競合情報流出 |
| 取引先リスト | 顧客名・金額 | 商談漏洩、信用失墜 |
| ログ・証拠資料 | アクセスログ・契約書の詳細 | 法的責任、訴訟リスク |
ぼかし(モザイクやブラックアウト)は文字や画像を完全に見えなくするだけで、データ抽出ツールで再現されないことが理想です。次に、それを実現する具体的な手順とツールを見ていきましょう。
PDF ぼかしの基本フロー
-
PDF を編集できるソフトを用意
- 無料/有料、オープンソースやクラウド型のどれでも OK
-
対象を選択
- テキストの場合は文字列を選択、画像の場合は画像全体を選択
-
ぼかし/マスク処理を適用
- ぼかし、ブラックアウト、モザイクなどで可視化を防止
-
ファイルを保存
- PDF 標準の「編集済みオブジェクトを上書き保存」 と 「安全なコピーとして保存」 の両方を取ると安心
以下に代表的な方法をまとめます。
方法 A: 「Redact(赤字処理)」機能を使う
ほとんどの PDF エディターに「Redact(赤字処理)」機能があります。これは「黒塗り」や「モザイク」だけではなく、文字列を完全に削除する機能です。
手順(Adobe Acrobat Reader DC の例)
- 「ツール」>「保護」>「赤字処理」 を選択
- ぼかしたい文字列をクリックで選択
- 「適用」から「黒塗り」または「モザイク」を選ぶ
- 「適用」>「PDF を保存」
メリット
- 文字列が完全に非表示になるのでテキスト抽出ソフトで再現しにくい
- 画像以外の「テキスト」をも対象にできる
デメリット
- 有料版が必要な場合が多い
- 画像のぼかしは別途操作が必要
方法 B: 画像編集サポート付きの PDF エディター
画像のぼかし(Blur)やモザイクを簡単に挿入できるツール。ここでは「PDF-XChange Editor」と「Foxit PhantomPDF」を例にします。
| ツール | 無料版の制限 | ぼかし実装の簡便さ |
|---|---|---|
| PDF‑XChange Editor | 15 分間隔でダイアログが出る | ボタン一つで画像にモザイク |
| Foxit PhantomPDF | 一部機能が制限 | 高速モザイクツール |
PDF-XChange Editor で画像をぼかす手順
- 画像を選択
- コンテキストメニューから 「画像ツール」>「モザイク」
- モザイクサイズを設定し「適用」
- ファイルを保存
方法 C: OCR 付きツールでテキストを検知しぼかす
画像内の文字を検出して文字列を編集することができる OCR(光学式文字認識)機能付きツール。Kofax Power PDF や ABBYY FineReader が有名です。
ABBYY FineReader での操作例
- PDF を読み込み、OCR モードでテキスト認識
- 認識されたテキストを検索
- 検出されたテキストを 「隠す」(黒塗り)
- PDF をエクスポート
利点:画像内の文字も隠せる
欠点:OCR の精度が必ずしも 100% ではないので、手動確認が必要
おすすめツール 5 つ
| ツール | ライセンス | ぼかし機能の概要 | 特色 |
|---|---|---|---|
| Adobe Acrobat Pro DC | 有料(サブスクリプション) | Redact + Blur | フル機能、業務向け |
| PDF-XChange Editor | 無料/有料 | モザイクツール | 軽量で無料版でも実用的 |
| Foxit PhantomPDF | 有料 | 赤字処理 + モザイク | クロスプラットフォーム |
| Kofax Power PDF | 有料 | テキスト+画像の Redact | 法務・管理部門向け |
| LibreOffice Draw | 無料オープンソース | テキスト削除 × 色塗り | 無料で手軽に実行 |
以下では、代表的な 3 つの使い方を詳述します。
1. Adobe Acrobat Pro DC でのブラー設定
- 「編集」>「赤字処理」
- 「新規項目」>「テキストを選択」
- ぼかす場所を選択 → 「黒塗り / モザイク」
- 「適用」→「PDF を保存」
ポイント:Acrobat の「赤字処理」では、「保護」>「Redaction」 と「検索/置換」で複数箇所を一括でぼかせます。
2. PDF-XChange Editor での画像モザイク
- PDF を開き 「ツール」 タブへ
- 「画像」>「モザイク」
- ぼかしたい画像をクリック → モザイク幅 を調整
- 「保存」
利点:無料版でもボタン 1 クリックで済む
注意点:無料版は 15 分間隔で「登録確認」ダイアログが出ます。
3. LibreOffice Draw で簡易的に隠す方法
LibreOffice は PDF を編集できるオープンソーススイート。Draw で PDF を開き、シェイプで覆うことができます。
- LibreOffice Draw で PDF を開く
- 「矩形」ツールで対象を覆う
- 「塗りつぶし」色を黒に設定
- 「ファイル」>「名前を付けてエクスポート」→ PDF
ポイント:テキストや画像を同時に隠したいときに便利。ただし フォント情報が失われる 可能性があります。
よくある質問(FAQ)
| 質問 | 回答 |
|---|---|
| ぼかしだけでなく文字列を完全に消したければ? | 「Redact」機能を利用すれば文字列自体を削除します。 |
| PDF に埋め込まれたメタデータも削除するには? | Acrobat の 「プロパティ」 から 「説明」 をクリアし、「全体の属性」 を削除。 |
| PDF のコピー・印刷を防ぎたい | 「セキュリティ」タブで「編集」や「コピー」を制限できます。 |
| 画像にモザイクをかけたあとに元に戻せない | PDF を編集前に必ずバックアップ。モザイクは 不可逆 です。 |
| Web 上で動的にぼかした PDF を公開したい | DocuSign, Adobe Sign などの電子署名ツールがオンラインで隠蔽をサポート。 |
実践的な導入手順(業務フローに組み込む)
- 情報収集
- 暴露リスクのある項目をリスト化
- ツール選定
- 必要に応じて 1 〜 2 種類のツールを決める(例:Adobe Pro + PDF‑XChange)
- テンプレート化
- 赤字処理設定を記録したマクロやスクリプトを作成
- 検証
- 作成後にテキスト検出ツールで内容確認
- 配布
- PDF を社内ネットにアップロード/メール送信
- 受信者には「閲覧のみ可」の設定を付与
業務フローに組み込むことで、毎回手作業 でぼかす手間を大幅に削減できます。
まとめ
- ぼかしは情報漏えい防止の基本ツール です。
- 表示を隠すだけではなく、テキスト自体を削除する「Redact」機能を使いましょう。
- 無料で手軽に始められる PDF‑XChange Editor や LibreOffice Draw も有効。
- ビジネス規模に応じて Adobe Acrobat Pro DC や Kofax Power PDF のような高機能ツールを導入すると、セキュリティと作業効率のバランスが取れます。
最後に、ぼかしを適用した PDF も 情報管理の一環 として再度チェックし、必要に応じてバックアップを確保することを忘れずに。安全で信頼性の高い資料共有を実現してください。


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