PDF をワードに変換したい人は多く、変換作業の効率と品質は業務や学術、個人利用で大きな差を生むことがあります。
PDF は静的な文書として優れていますが、修正や再利用をしにくく、編集ツールがない状態では文字をコピーして別の文書に貼り付けるだけではレイアウトが乱れたり、画像が抜け落ちたりすることが多いです。
そこで「PDF → Word」の変換に特化した無料ツールを徹底比較し、実際の変換プロセスをステップバイステップで解説します。
変換の基本ステップ
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PDF ファイルを選択
変換したい PDF を用意します。ファイルがパスワードで保護されている場合は、先にパスワードを解除するか、対応可能なツールを選択してください。 -
ツールを選ぶ
本記事で紹介する無料ツールは、オンラインベースとオフラインベースがあります。ファイルサイズやプライバシー要件に応じて使い分けましょう。 -
変換オプションを設定
レイアウトをそのままにしたい 場合は「レイアウト保持」や「画像も一緒に変換」といったオプションをオンにします。 -
変換実行
オンラインなら「変換」ボタンをクリック、オフラインならインストール後に起動してドラッグ&ドロップします。 -
Word ファイルをダウンロード/保存
変換が完了したら、取得した DOCX ファイルを開き、必要な編集を行います。プレビューでレイアウトが崩れている場合は、余分な行間や段落マークを手動で調整します。
1. Smallpdf – 直感的なオンライン変換
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特徴
- シンプルな UI
ドラッグ&ドロップで PDF を投入し、変換ボタンをクリックするだけで終了。 - 高いレイアウト保持率
文字列、図形、表、画像をほぼ忠実に保持。 - ブラウザベースでプラグイン不要
ただし、無料版は1 時間に 2 分の変換制限があります。
利点
- 初心者でも分かりやすい操作性。
- 変換速度が速く、ファイルが 100 MB 未満であれば数秒で完了。
欠点
- フリー版にアップロード時間と回数の制限。
- 大容量ファイルは変換できない。
活用シーン
個人利用や短期プロジェクトで、レイアウトがほぼそのままに Word に移したい場合に最適です。
2. iLovePDF – 幅広い PDF 編集機能セット
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特徴
- 多機能
PDF の分割・結合・圧縮・PDF → Word のほか、Word → PDF も無料で可能。 - クラウドとローカルの両対応
オンラインと一部の機能をオフラインで実行できるデスクトップ版もあります。
利点
- 大容量ファイルも 32 MB まで可能。
- 変換時に「フォーマットを保持」スイッチで表の構造を維持できる。
欠点
- 無料版では「変換後のファイルを直ちにダウンロードできない」手間がある。
- 画像が小さくなる場合がある。
活用シーン
PDF を頻繁に編集・変換するビジネスユーザー、または表計算を多用するユーザーにおすすめです。
3. PDF2Go – ユーザーインタフェースをカスタマイズ可
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特徴
- 設定画面が豊富
変換形式の選択、ページ範囲の指定、OCR(文字認識)の有無を細かく調整できます。 - クラウドサービスで、メールでリンクを受け取る仕組み
変換完了時にメールでリンクを送ってくれるため、ファイルを直接ダウンロードできる環境がない場合でも便利です。
利点
- OCR
スキャンした PDF(画像のみ)も文字認識して Word に変換可能。 - 複数言語のインタフェース
日本語・英語・その他多数。
欠点
- 無料版は「一度に変換できるファイルサイズ 15 MB」制限。
- 大量の広告表示。
活用シーン
OCR 段階が必要なスキャン文書や、細かいページ設定を行い複数ファイルをまとめて変換したいユーザーに向いています。
4. Google Docs – 無料で利用できるオフィスツール
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特徴
- クラウドベースでオフラインでも同期
Google アカウントさえあれば、変換はもちろん、同時編集も可能です。 - 内蔵 OCR 機能
PDF をアップロードして「Google Docs で開く」を選択すると、文字認識が自動で行われます。
利点
- 無料かつ無制限
大容量ファイルもアップロードでき、変換回数に制限はありません。 - 共有・共同編集が容易
変換後の DOCX か Google Docs 形式で共有でき、コメントやハイライトを付けられます。
欠点
- レイアウト保持は完璧でない
複雑な表や図形は崩れやすく、手入力で調整が必要。 - ファイルサイズや同時アップロード数に関する制限
15 GB のストレージ上限があります(Google One で拡張可)。
活用シーン
共有・共同作業が主体のチーム、またはスキャン文書を文字化し、簡易的なレポートを作りたい場合に便利です。
5. LibreOffice Writer – オフラインでのフルコントロール
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特徴
- フリーオープンソース
完全に無料で、Windows/macOS/Linux 全てに対応。 - PDF から Word への「インポート」機能
「ファイル → 開く」で PDF を読み込み、編集後に DOCX にエクスポート。
利点
- プライバシー安心
ローカルのデバイスで処理するため、外部サーバーにデータが送信されません。 - 多機能編集
段落設定、表作成、画像挿入など、Word に近い編集環境。
欠点
- インポート時のレイアウト崩れが発生しやすい
特に図形やページレイアウトが複雑な PDF では、手間が増える。 - 変換速度が遅い
大きい PDF だと数分かかることがあります。
活用シーン
機密性が高い文書や、インターネット環境が不安定な場所で作業する際、または無料ツールで最も安定した変換を求めるプロフェッショナル向けです。
変換品質を高めるためのコツ
| 項目 | アドバイス |
|---|---|
| PDF の品質 | 原稿の解像度が高いほど文字認識精度が上がる。300 dpi 以上を推奨 |
| ページレイアウト | 余白や列幅が統一されている PDF は変換時に崩れにくい |
| OCR の活用 | スキャン文書は必ず OCR を有効にし、文字化されたテキストを確認 |
| 設定の微調整 | 変換ツールで「表を保持」や「画像を保持」をチェック |
| 事前のパスワード解除 | パスワード保護PDF はツール認識が遅れたり失敗することがある |
| 変換後の確認 | 完成した Word を必ず開き、段落記号・行間・ページ区切りをチェック |
よくある質問(FAQ)
| 質問 | 回答 |
|---|---|
| ファイルが 50 MB 超の時の対処法 | Smallpdf や iLovePDF の有料版を検討、またはローカルツール(LibreOffice)を使う |
| 機密文書をオンラインツールで変換したい | オフラインツールを推奨。LibreOffice で開けば、ファイルをインターネットに送信しない |
| 変換後に表や図が崩れた | 変換時に「レイアウト保持」オプションをオンにする、または「PDF2Go」でページ範囲指定を細かく調整 |
| PDF は画像だけで文字化できるか | はい。OCR が付くツール(iLovePDF、PDF2Go、Google Docs)で変換可能 |
| 無料で何度でも変換したい | Smallpdf の制限を避けるためにオフラインツールを使用。Google Docs は無制限 |
まとめ
PDF を Word に変換する作業は、一見単純そうですが、レイアウト保持、画像・表の扱い、機密性の確保など、実は多岐にわたる課題があります。
本記事で紹介した 5 つの無料ツールはそれぞれ特徴があり、以下のような選択基準で選ぶとよいでしょう。
| 目的 | 推奨ツール |
|---|---|
| 簡易・高速起動 | Smallpdf |
| 多機能編集が必要 | iLovePDF |
| OCR が必須 | PDF2Go |
| オンライン共同編集 | Google Docs |
| 機密性重視・ローカル処理 | LibreOffice |
変換後は必ず Word ファイルを見直し、必要に応じて手修正を行ってください。最終的には「人が読みやすく、編集しやすい形」がゴールです。
この記事が、PDF から Word への変換プロセスをスムーズに進める一助となれば幸いです。


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