PDFリサイズの簡単手順!初心者でも無料で行う方法と注意点

まずはじめに、PDFのリサイズが必要になるケースとそのメリットを整理しましょう。PDFは元々ページ単位でデータが格納されているため、印刷物をWebに転送したりメールで送付した際にファイルサイズが大きくなることが多いです。大きなファイルはアップロードやダウンロードに時間がかかり、クラウドストレージの容量を圧迫します。そこで「PDFリサイズ」=「ページ数・画像解像度・埋め込みフォントを適切に削減し、ファイルサイズを縮小する」ことが重要になります。


1. PDFリサイズとは?

  1. ページ解像度の縮小
    画像やベクターデータのピクセルを低めに設定することで、ファイルサイズを圧縮します。印刷レベルの画質が必要でなければ、72〜150dpi程度に設定すると十分です。

  2. 不要なメタデータの削除
    PDFには作成日時や編集者名、ページのバックグラウンド情報などが埋め込まれている場合があります。これらを削除すると若干のサイズ短縮が期待できます。

  3. フォントの最適化
    PDFに埋め込まれたフォントは全キャラクターを含む場合があります。テキストが使っていない文字コードを除外するとサイズが小さくなります。

  4. ページ削除・整理
    必要なページだけを残して不必要なページを削除することも、リサイズに含まれます。


2. ツール選びのポイント

ツール 特徴 料金 主な機能 推奨レベル
Adobe Acrobat Pro DC 有料だが機能が豊富。PDF/A変換、フォント最適化、画像圧縮が簡単。 月額制 画像リサイズ、フォント圧縮、パッケージ化 上級
Mac Preview macOS標準アプリ。印刷サイズの変換は可能だが細かな設定は不可。 無料 簡易リサイズ、ページ削除 初級
オンライン無料ツール PDFescape, Smallpdf, ILovePDFなど。ブラウザ上で完結。 無料、プレミアムオプションあり 画像解像度変更、ページ編集 初級〜中級
Ghostscript(CLI) オープンソース、コマンドラインで細かな制御が可能。 無料 画像圧縮、フォント削除、ページ設定 上級
PDFsam Basic デスクトップアプリ。ページ結合・分割に強い。 無料 ページ削除、ページ順変更 初級

初心者は「オンライン無料ツール」または「Mac Preview」を試してみるのが無難です。上級者はGhostscriptやAdobe Acrobatで高度な最適化が可能です。


3. オンライン無料ツールでのリサイズ手順

3‑1. Smallpdf(https://smallpdf.com/ja/compress-pdf

  1. ブラウザで Smallpdf の「PDFを圧縮」ページへ移動
  2. 「ファイルを選択」 ボタンで対象PDFをアップロード
  3. 「圧縮方法」を選択(高圧縮推奨)
  4. 圧縮処理が終了すると ダウンロード ボタンが表示
  5. 画面下部に「リサイズ後のファイルサイズ」と表示されるので、必要なら再圧縮

3‑2. ILovePDF(https://www.ilovepdf.com/ja/compress_pdf

  • 「PDFを圧縮」→ ファイルアップロード → 画面上部の「圧縮レベル」を「高」に設定
  • さらに「ページを分割」できるオプションもあり、不要なページを除外することが可能

3‑3. 付随機能:ページ編集と画像品質設定

  • ILovePDF には「PDFを編集」や「画像の解像度を変更」機能があり、ページ単位の削除や画像を再エンコードすることで更にサイズを削減できます。

4. Adobe Acrobat Pro DC での高度なリサイズ

Adobe Acrobat では「ファイル」→「PDFを最適化」機能を使えば、詳細な設定が可能です。

  1. 画像設定

    • 画像を「JPEG へ再圧縮」し、画質を 70%–80% に設定
    • 解像度を 150dpi にまで減らす
  2. フォントの最適化

    • 「埋め込みフォントを最小化」を選択し、未使用文字コードを除外
  3. メタデータの削除

    • 「ファイル」→「プロパティ」→「説明」タブで不要な項目を削除
  4. ファイルの圧縮

    • 「ファイル」→「PDFを最適化」→「圧縮設定」から「最小化」を選択

ポイント

  • 最高画質であればファイルサイズが大きくなるので、印刷またはWeb閲覧に合わせて最適化を行う。
  • 「PDF/UA」や「PDF/A」への変換は可否を確認し、必要に応じて設定。

5. macOS Preview で簡易リサイズ

Preview は画像解像度を調整できるため、簡易的にファイルを短縮できます。

  1. PDFを Preview で開く
  2. 「ファイル」→「印刷」
  3. PDF エンジンを「Quartz エンジン」→「PDFとして保存」
  4. 画面左下の PDFリサイズ で出力解像度を 150dpi などに設定
  5. 「保存」でファイルを別名保存

注意点

  • Preview は「レイアウトリサイズ」ではなく「印刷解像度変更」なので、画像圧縮以外の最適化は行われません。
  • 画像の品質低下が目立ちます。印刷物には不向きです。

6. Ghostscript(CLI 版)で細かく制御する方法

Ghostscript はコマンドラインで PDF を圧縮・最適化できる強力なツールです。

gs -sDEVICE=pdfwrite \
   -dCompatibilityLevel=1.4 \
   -dPDFSETTINGS=/printer \
   -dNOPAUSE -dBATCH \
   -sOutputFile=output.pdf \
   input.pdf

主要オプション

  • -dPDFSETTINGS=/screen → 72dpi の画像、最大サイズ 1MB
  • -dPDFSETTINGS=/ebook → 150dpi の画像、読み込み専用
  • -dPDFSETTINGS=/printer → 300dpi の画像
  • -dPDFSETTINGS=/prepress → 高品質、出力用

さらにフォント最適化を行う場合は -dFontsSubset=1-dSubsetFonts=true を付加します。
結果は output.pdf に保存され、圧縮率が出力ファイル名に -compressed を付与すると分かりやすいです。

利点

  • スクリプト化できるので一括処理が便利
  • 高度な PDF/A 向け設定も可能

欠点

  • コマンドに不慣れなユーザーにはハードルが高い
  • ログ出力が多く、エラーの診断に時間がかかる

7. ファイルサイズとリサイズの目安

アプリ 圧縮率(前後のファイルサイズ) 推奨用途
Smallpdf 30〜60% Web用、メール送付
Adobe Acrobat 20〜50% 画質が重要な資料
Ghostscript 20〜70% バッチ処理・自動化
Preview 10〜30% スマホ用簡易ファイル

注意

  • 極端な圧縮:画像の画質が大幅に劣化する。重要は 「目的に合わせた最適化」
  • フォントの削除:必要な文字以外を削除すると、PDF が読み込めない恐れがあります。

8. リサイズ後に確認すべき項目

チェック項目 確認方法 ポイント
表示崩れ PDF ビューワで確認 文字が切れたり、図形が欠落していないか
検索 CTRL+F で検索 埋め込みフォントが壊れていないか
印刷 プレビューで印刷 印刷品質が期待通りか
セキュリティ ファイル → プロパティ パスワード保護や編集制限が残っているか
バイナリサイズ ファイル情報 目的に合っているかを数値で確認

9. PDFリサイズ時の一般的な落とし穴

落とし穴 具体例 回避策
画像の再描画失敗 JPEG で圧縮した後にぼやける 画像解像度・品質を数値で確認する
フォント削除失敗 必要な文字コードを除外した結果、文字化け Acrobat の「埋め込みフォント最小化」にて「全文字保持」を選ぶ
ページ遷移ズレ PDFを分割した後ページ順が乱れる PDFsam でページ番号を再確認
メタデータ残留 画像の撮影日時が残っている PDFのプロパティを開き手動で削除
クラウド同期エラー Dropbox で同時編集が失敗 ファイル名を変更して再同期

10. まとめ:初心者におすすめのフロー

  1. まずはオンライン無料ツール(Smallpdf / ILovePDF)で「全体最適化」を試す。
  2. ファイルサイズが目的に合わない場合は Adobe Acrobat(試用版が1か月有料)で高圧縮設定を調整する。
  3. コマンドラインに自信がある場合は Ghostscript で一括バッチ処理。
  4. 最後に 確認項目(表示崩れ・検索・印刷)をチェックし、余計なメタデータは削除する。

コツ

  • 「PDFリサイズ」は「ファイル圧縮」とは多少性質が異なり、目標ファイルサイズ画質要件の両立が鍵。
  • まずは軽い圧縮で試し、段階的に画質を落としていく方が不具合の発見しやすい。

これで「PDFリサイズの簡単手順」から「初心者でも無料で行える方法」と「注意点」まで網羅できました。実際にこれらの手順を試し、最適なリサイズ方法を見つけてください。 Happy compressing!

コメント