導入
Word 文書は、社内資料・講義資料・ご自身のレポートなど、さまざまな場面で作成します。一方で、閲覧・印刷・共有の目的で PDF ファイルに変換することが多くあります。
Word から PDF へ変換すると、フォーマットが崩れにくく、閲覧環境に関係なく同じレイアウトを保持できる点が大きなメリットです。
本記事では、Windows と Mac 両方の環境を想定し、最も簡単で確実な「Word から PDF への変換方法」をステップバイステップで紹介します。
さらに、もし手動で変換できないケースや「PDF 出力に失敗する」エラーが発生したときの対処法も併せて解説します。
1. Word の「名前を付けて保存」で PDF へ変換(Windows & Mac)
手順
- Word 文書を開く
変換したいファイルを Word で開きます。 - [ファイル]メニュー → [名前を付けて保存]
「ファイル」タブを開き、「名前を付けて保存」をクリック。 - 保存先とファイル形式を選択
- 保存場所を指定
- 「ファイルの種類」ドロップダウンから「PDF(*.pdf)」を選択
- 「オプション」
必要に応じて「全文検索インデックスを作成」や「標準的なPDF」などを設定。 - 「保存」
「保存」ボタンを押すと、Word が内部で PDF を生成します。 - 完了確認
保存先に PDF ファイルが生成されているかを確認。
注意点
- 版数が古い Word 2010 以前では PDF として保存できないため、PDF 変換アドイン(Adobe Acrobat など)を導入する必要があります。
- フォント埋め込みが必要な場合は、[オプション] で「すべてのフォントを埋め込む」をチェックしておくと、閲覧環境にフォントが無い場合でも正しく表示されます。
2. 「印刷」→「Microsoft Print to PDF」で変換
1️⃣ Windows 10 以降ではデフォルトでプリンタドライバが付属
- [ファイル] → [印刷]
- プリンタ一覧から「Microsoft Print to PDF」を選択
- 「印刷」 ボタンを押す
- 保存先とファイル名を入力
- 「保存」
2️⃣ Mac 用「PDF プリント」機能
- [ファイル]→[プリント]
- 画面下部の「PDF」ドロップダウンから「PDFとして保存」
この方法はWord が PDF 変換機能をサポートしていない古い文書形式(.doc 等)でも使用でき、ファイルを一気に PDF 化することができます。
ただし、フォントの埋め込み設定が自動で適用されない場合があるため、フォントを正しく表示したい場合は前述の「名前を付けて保存」方式を推奨します。
3. Word Online での PDF 変換(クラウド版)
Word Online を使っている場合は、エクセルやパワーポイント同様手軽に PDF を保存できます。
- ブラウザで Word Online にアクセスし、対象ファイルを開きます。
- [ファイル] → [ダウンロード]
- その中に 「PDFとしてダウンロード」 の項目がありますので選択。
ファイルサイズが大きい場合は時間がかかることがあります。
4. PowerShell スクリプトで一括変換(Windows)
大量の Word 文書をまとめて PDF へ変換したいケースに便利です。
以下はサンプルスクリプトです。
# PowerShell で Word ドキュメントを PDF に変換
$Word = New-Object -ComObject Word.Application
$Word.Visible = $false
$sourceFolder = "C:\Users\Public\Documents\WordFiles"
$destinationFolder = "C:\Users\Public\Documents\PdfFiles"
Get-ChildItem $sourceFolder -Filter *.docx | ForEach-Object {
$doc = $Word.Documents.Open($_.FullName)
$dst = Join-Path $destinationFolder ($_.BaseName + ".pdf")
$doc.SaveAs([ref] $dst, [ref] 17) # 17 = wdFormatPDF
$doc.Close()
}
$Word.Quit()
- 注: Word がインストールされている環境で実行する必要があります。
- 実行前: PowerShell を 管理者権限で開き、スクリプト実行ポリシーを一時的に緩和する場合は
Set-ExecutionPolicy -ExecutionPolicy Bypass -Scope Process
5. Mac で Automator を使った自動化
Mac で大量に PDF へ変換する際は Automator が便利です。
- Automator を起動し、「アプリケーション」を選択。
- 「ファイルとフォルダ」 の中から「アイテムを取得」→「対象のフォルダを選択」
- 次に「PDF」→「PDF を保存」を追加。
- 設定では「元のドキュメント名のまま PDF を作成」などを選び、保存先フォルダを指定。
- これを 「WordToPdf.app」 として保存。
- Word ファイルをアプリにドラッグ&ドロップすると、PDF が自動生成されます。
6. フリーオンラインツールを活用する
時間がないときは、以下のオンラインサービスを利用するのも一つの手です。
(※機密情報の取り扱いには十分注意してください)
| サービス | 特徴 |
|---|---|
| Smallpdf | 直感的な UI、最大 25MB 以内。 |
| iLovePDF | バッチ変換、OCR 付き。 |
| Zamzar | 2000B 以上のファイルに対応。 |
使い方は、Word ファイルをアップロード → PDF 変換 だけで完了。
ただしファイル数が多い場合やセキュリティ上重要な文書を扱う場合は、ローカルツールでの変換をおすすめします。
7. よくあるエラーとその対処
| エラー | 代表的な原因 | 対策 |
|---|---|---|
| 「フォントが埋め込めません」 | フォントにライセンス制限がある | フォントのライセンス情報を確認。埋め込み可能なフォントを選択する。 |
| 「ファイルが壊れた」 | Word 文書が破損 | 「ファイル > 情報 > 互換性チェック」で再確認。破損の場合はバックアップから復元。 |
| 「PDF を保存できません」 | ファイル名に禁止文字が含まれる | ファイル名から `/:*?"<> |
| 「印刷が長時間止まる」 | 高解像度イメージやグラフィックが多い | 画像を圧縮し、図の解像度を下げる。 |
| 「変換時にページが崩れる」 | レイアウトの不一致 | 「名前を付けて保存」ではなく「印刷」に切り替えて「Microsoft Print to PDF」を利用する。 |
8. まとめ
- Windows / Mac 標準機能での「名前を付けて保存」や「Microsoft Print to PDF」で、Word → PDF は非常に簡単に実行できます。
- 大量ファイルやバッチ処理を行うなら PowerShell(Windows)や Automator(Mac)が便利です。
- オンラインツールは即時変換に最適ですが、機密性の高い文書は避けるようにしましょう。
- 変換エラーに出くわした際は「フォント埋め込み」「ファイル名」「レイアウト」を確認するだけで済むケースが多いので、まずはこれらをチェックするとスムーズです。
これで、Word 文書を PDF に変換する際に混乱することはなくなるはずです。
ぜひご自身のワークフローに最適な方法を組み込み、スムーズなドキュメント共有を実現してください。


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