はじめに
PDF は「Portable Document Format」の略で、レイアウトやフォントを保証しつつ、異なるデバイス間で同じ見た目を保つことができるため、ビジネス文書や学術資料、マニュアルなどで広く使われています。
一方で、PDF に埋め込まれたテキストが検索エンジンに読めない、あるいは自分の PC で検索機能が使えないといった問題に直面すると、文書探しが大変になります。
この記事では、「PDF で検索ができない」問題の主な原因と、初心者でも分かりやすい具体的な対処手順を徹底解説します。
「まずはこれから」という「はじめに」から、段階を追って確認し、必要なツールや設定を一緒に学んでいきましょう。
PDF検索が機能しない主な原因
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テキストが画像化されている
① スキャンした紙文書を PDF 化した場合、文字はピクセルとしてそのまま保存され、文字情報は含まれません。検索エンジンは文字としてではなく画像として扱うため、テキスト検索ができなくなります。 -
文字が埋め込まれていない
② PDF 作成時に「テキストを埋め込む」設定が無効にされていると、文字情報が欠落します。オプションが有効でも、フォントが埋め込まれていないと検索できません。 -
フィルタリングやセキュリティ制限
③ PDF に「編集不可」「複製不可」のセキュリティ設定がかかっていると、検索機能が制限されることがあります。 -
フォーマットが古い
④ PDF 1.3 以前の旧バージョンはテキスト検索機能が限定的です。新しいバージョン(PDF 1.7 以降)に変換することで解消される場合があります。 -
PDF リーダーの設定
⑤ 使っている PDF リーダー(Adobe Acrobat, Foxit, Sumatra PDF 等)に「検索」を無効化する設定が入っていると、検索は機能しないことがあります。
スキャン PDF の場合:OCR でテキスト化
OCR とは?
Optical Character Recognition(光学文字認識)は、画像に埋め込まれた文字を検出し、デジタルテキストへ変換する技術です。
OCR を使うことで、スキャン PDF が検索可能になります。
OCR を使う手順
| 手順 | 内容 | ツール |
|---|---|---|
| 1 | PDF を OCR ソフトに読み込む | Adobe Acrobat Reader (Pro) の “テキスト認識” か 無料サービス |
| 2 | 言語設定を正しく選択 | 例:日本語、英語 |
| 3 | OCR 実行 | 「テキストを認識」または「PDF を検索可能に変換」 |
| 4 | 結果を確認 | PDF 内のページで文字がハイライトされ、コピー可能になっているか |
| 5 | ファイルを保存 | 元ファイルに上書きするか、新規保存するか選択 |
おすすめ無料 OCR ツール
| ツール | 特徴 | URL |
|---|---|---|
| Google ドキュメント | PDF をアップロード → 右クリック >「Google ドキュメントで開く」 | https://docs.google.com |
| Microsoft OneDrive | 右クリック >「OneDrive で開く」→「コンテンツの認識」 | https://onedrive.live.com |
| Free OCR (オンライン) | 直接 PDF をアップロードして OCR | https://www.free-ocr.com |
| Tesseract + PDFtk | コマンドライン環境でスクリプト化したい場合 | https://github.com/tesseract-ocr/tesseract |
注意:商業利用や機密情報を含む場合は、オフラインの OCR ソフトを選んだほうが安全です。
テキストが埋め込まれていない PDF の対処
1. PDF を再作成する
- Microsoft Word / Google Docs などで元文書がある場合、再度 PDF として保存/エクスポートすると自動的にテキストが埋め込まれます。
- 「ファイル > ダウンロード > PDF ドキュメント(.pdf)」で保存しましょう。
2. 「テキストを埋め込む」設定を確認
- Adobe Acrobat Pro を使用している場合は、PDF を開き「ファイル > 設定 > 全般 > ストリームの設定」からフォント埋め込みを有効にできます。
- PDF を生成する際に「フォントを埋め込む」オプションを必ずオンにしてください。
3. フォントの互換性
- もしフォントが埋め込まれていない PDF で検索ができない=フォントが欠落しているケース。
- 「フォントを埋め込む」設定がない場合は、Adobe Acrobat Pro の「フォントの埋め込み」→「埋め込まれたフォントの確認」を行い、必要に応じてフォントを再インストールまたは埋め込み直します。
PDF ファイルに対するセキュリティ設定の確認
- Adobe Acrobat Reader で PDF を開く
- 「ファイル」>「プロパティ」>「安全性」タブを開く
- 「設定」ボタンをクリックし、
- 「編集不可」「複製不可」「印刷不可」などに目を通す
- 「印刷制限」や「内容の編集にパスワードが必要」かどうか確認
- 「無効化できる場合は設定を解除」
- 無効化できない場合は、元のファイルを取得元に問い合わせる
ヒント:セキュリティ設定が原因で検索できない場合、Acrobat の「制限解除」機能を使って一時的に検索を有効にできますが、これにはパスワードが必要な場合があります。
PDF バージョンと検索機能
| PDF バージョン | 機能 | 代表的なリーダーの対応 |
|---|---|---|
| PDF 1.0/1.1/1.2 | 高度な検索機能はなし | 古いリーダーでも閲覧は可能 |
| PDF 1.3 | 検索機能が追加、テキストレイヤー | Photoshop |
バージョン変換手順(Adobe Acrobat Pro を使用)
- PDF を Acrobat Pro で開く
- 「ファイル」>「保存別名」>「Adobe PDF(.pdf)」
- 「その他の設定」から「PDF バージョン」→「1.7」へ変更
- 「保存」をクリック → 新しいファイルとして保存
ポイント:バージョンを上げるとフォーマットが壊れにくいですが、古いシステムでは表示が崩れる場合があります。必要に応じて “1.5” に下げることも検討してください。
セキュリティ設定を無効化して検索
手順(Adobe Acrobat Reader DC)
- PDF を開く
- 画面右上にある「ツール」タブ → 「保護」
- 「設定」を選択 → 「アクセス権」
- 「全ての機能(許可)」にチェック → 「OK」
備考:変更は読み取り専用ファイルには反映されないことがあります。読み取り専用ファイルは「編集不可」に設定されているだけで、検索は有効です。
PDF を検索可能にするために外部ツールを活用
1. PDF XChange Editor
- 無料版でも検索が可能
- 「ファイル」>「PDF を検索可能に変換」機能が内蔵
- バッチ変換や OCR を実行できる
2. Foxit Reader
- 「編集」→「ファイルを OCR に変換」
- OCR 言語の選択が簡単
- 速度が速く、Windows や macOS で動作
3. バッチ OCR で大量ファイルを自動化
# Tesseract + PDFtk スクリプト例
for file in *.pdf; do
pdftk "$file" burst output page_%02d.pdf
for part in page_*.pdf; do
tesseract "$part" "${part%.pdf}" -l jpn pdf
done
pdftk page_*.pdf cat output "${file%.pdf}_OCR.pdf"
rm page_*.pdf
done
- pdftk で PDF をページ単位に分割
- Tesseract で OCR 実行
- pdftk で再結合
備考:サーバーや大量ファイルの処理に向いています。
PDF マスターになるための日常的な対策
| 項目 | チェック項目 | ツール |
|---|---|---|
| フォント埋め込み | フォントが埋め込まれているか | Adobe Acrobat Pro |
| OCR 実行 | 画像化されているか | Google Docs, OCR API |
| バージョン確認 | PDF 1.7 以上 | Acrobat |
| セキュリティ設定 | 制限されていないか | PDF Pro |
| 検索テスト | Ctrl+F でキーワード検索 | すべてのリーダー |
ヒント:「Ctrl+F」検索を試してみて、結果が全く返ってこない場合は “テキスト” に紐づいていないと判断できます。
まとめ
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検索できない原因
- 文字が画像化(スキャン) | 2. フォントが埋め込まれていない | 3. セキュリティ設定が有効 | 4. PDF バージョンが古い | 5. リーダー設定が解除されている
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対処手順
- OCR を使ってテキスト化
- フォント埋め込み・バージョン修正
- セキュリティを解除
- 適切な PDF リーダーで検索テスト
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初心者向け
- 無料の OCR ツール+ Google Docs で一通り完結
- タイムリーにフォント埋め込みを確認
PDF を検索可能にできれば、文書管理の効率が大幅にアップし、必要な情報をすぐに取り出せるようになります。
これらの手順を一度実践すれば、次に同じ問題に直面した際も「思い出せる」ようになります。ぜひ試してみてください。


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