ページ番号や章ごとにPDFを分割したい、不要なページだけ削除したい、複数のPDFを結合したい…といった作業は、PDFを扱う上で頻繁に発生します。
しかし、初心者が「PDFのページを簡単に切り抜く方法」を知る機会は限られており、専門的なソフトを買う前にいざという時に使える手段があるのか不安になるものです。
この記事では、PDF切り抜きを初心者でもスムーズに行える操作手順をわかりやすく解説し、さらにおすすめのツールを紹介します。
実際に作業を行う際のポイントや注意点も併せてまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
PDFページを切り抜くときの基本的な手順
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入力ファイルの事前確認
PDFにパスワードがかかっている、保護されているかを確認します。保護がかかっている場合は解除を試みます。 -
目的のページ番号を決定
切り抜きたいページ範囲や個別ページをリストアップ。
例:3-5, 9, 12-15 -
ツールを選択
GUIベース(初心者向け)かコマンドライン(スクリプト化やバッチ処理)かを選定します。 -
切り抜き操作を実行
目的のページを指定して抽出。複数ページの切り抜きを行う場合は「範囲指定」や「複数ページリスト」の入力方法を確認。 -
出力ファイルの検証
切り抜き後のPDFを開き、ページ番号・レイアウトが想定通りかチェック。
何かが抜けた、順序がおかしい場合は元ファイルをロストせずにやり直すオプションがあるか確認します。
初心者でも扱いやすいGUIツール
1. Adobe Acrobat Reader DC(無料版)
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特徴
- 公式のPDF閲覧ソフト。
- 「印刷」機能でページ抽出が可能。
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手順
- 印刷ダイアログを開く(Ctrl + P)。
- 「設定」→「ページ範囲と印刷設定」に切り抜きたいページを入力。
- 「印刷先」を「PDFとして保存」に変更し、出力先を指定。
- 「印刷」ボタンを押してPDFを生成。
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メリット
- 追加のソフトをインストールしなくて済む。
- 既にPCにインストールされている場合が多い。
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デメリット
- ページ範囲指定に限界がある。
- 途中でページを抜き出す際、順序が入れ替わるなどの微妙な違和感が出ることも。
2. PDFsam Basic(無料オープンソース)
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特徴
- 「Split」「Extract」モジュールがある。
- GUIが直感的で操作が簡単。
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手順
- PDFsamを起動し、「Split」を選択。
- 入力ファイルをドラッグ&ドロップ。
- 「New PDF every page」もしくは「Split after specified page numbers」を選択。
- 範囲を数値入力で指定し、「Run」をクリック。
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メリット
- 複数ページ範囲を一括で処理。
- 出力後に必要なページだけ残すといった「Extract」モジュールで細かく切除。
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デメリット
- OSに依存したUIが多少古風。
- 大規模ファイル(200MB+)の場合、メモリ使用量が増える。
3. ILovePDF(オンラインサービス)
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特徴
- ブラウザ上でPDF操作が完結。
- 無料で手軽に利用できる。
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手順
- 公式サイト(ilovepdf.com)を開く。
- 「Split PDF」を選択し、ファイルをアップロード。
- 「Extract specific pages」オプションを選んでページ番号を入力。
- 「Split PDF」をクリックし、完了後に保存・ダウンロード。
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メリット
- インストール不要。すぐに動き出す。
- 1ファイルあたり2MBまで無料でアップロード(無料枠では1日3回まで)。
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デメリット
- アップロード時にインターネット接続が必須。
- 機密情報を含むPDFは外部に送信するリスクがあるので注意。
コマンドラインベースで自動化したい場合
1. pdftk(Windows/Linux/macOS)
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使い方(範囲指定)
pdftk input.pdf cat 3-5 9 12-15 output extracted.pdfここで
3-5 9 12-15はページ番号のリストまたは範囲。 -
メリット
- スクリプト化して大量ファイルを一括処理。
- ファイル破損判定やページ数取得も可能。
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デメリット
- Windows版は公式サポートが終了しつつある。
- GUIはないのでコマンドに慣れる必要。
2. qpdf(クロスプラットフォーム)
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使い方
qpdf input.pdf --pages input.pdf 3-5 9 12-15 -- output.pdf -
メリット
- PDF 1.0〜1.4 から 1.7 へ変換可能。
- 高速で軽量。
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デメリット
- コマンドが少し長くなる。
- オプションが多いので初心者には学習コスト。
3. pyPDF2(Python ライブラリ)
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サンプルスクリプト
import PyPDF2 reader = PyPDF2.PdfReader('input.pdf') writer = PyPDF2.PdfWriter() pages_to_extract = [2, 3, 4, 8, 11, 12] # 0ベース for p in pages_to_extract: writer.add_page(reader.pages[p]) with open('output.pdf', 'wb') as f: writer.write(f) -
メリット
- 自分の処理フローに合わせてカスタム化できる。
- Python環境があればすぐに実行できる。
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デメリット
- Pythonの基礎知識が必要。
- 何度もスクリプトを書き直す手間。
よくあるトラブルと対処法
| トラブル | 原因 | 対処 |
|---|---|---|
| ページが抜けている | 指定範囲が誤っている(インデックスのズレ) | ソフトのページ番号入力欄が 1 基準か 0 基準かを確認。 |
| ページレイアウトが崩れる | ビューワの DPI 設定やフォント互換性 | 切り抜いたPDFを別のビューアで開くか、PDFsam で再レンダリング。 |
| ファイルが大きくて処理が遅い | PDFに高解像度画像や埋め込みフォントが多い | pdf2image で画像をリサイズ、または qpdf で軽量化。 |
| パスワード保護付きPDFを切り抜けない | 権限制限 | qpdf --password=xxx --decrypt input.pdf output.pdf で解除後、再度切り抜き。 |
| オンラインサービスで情報漏えいの懸念 | セキュリティの設定不足 | 機密情報はローカルツールを使用。 |
まとめ:初心者におすすめのワンライフツール
| 目的 | おすすめツール | 使用シーン |
|---|---|---|
| 1ページずつ簡単に抜き出す | Adobe Acrobat Reader DC(印刷機能) | 誰でもすぐ使える |
| 複数ページ・範囲を自動で分割 | PDFsam Basic | GUI が直感的で作業効率UP |
| 機密情報が入っているPDF | pdftk / qpdf (ローカル) | コマンドラインで安全に処理 |
| 短時間で数ファイル分割 | ILovePDF / Smallpdf | オンラインで即解決 |
PDFはドキュメント共有の決定版ですが、ページ単位での切り抜きは初心者でも手軽に行えるツールが揃っています。
まずは自分の用途に合わせて①「単純なページ抽出」なら Adobe Acrobat Reader DC や ILovePDF を試し、②「バッチ処理」や「スクリプト化」なら pdftk や qpdf で自動化してみましょう。
いつも PDF のページを「ちょっとだけ残したい」「別のファイルにまとめたい」と思ったとき、この記事の手順を覚えておけば、余計な手間をかけずに目的を達成できるはずです。ぜひ、試してみてください!


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