はじめに
PDF(Portable Document Format)は電子書類の標準フォーマットとして広く使われていますが、長めの資料を閲覧したり、必要なページだけを抽出したいときは「切り取り」や「分割」が必要になります。
Windows でも Mac でも、スマートフォンでもそれぞれに簡単に「ドラッグ&ドロップ」で操作できる方法をまとめました。
「手動でコピー&ペーストしたり、専門家向けの高機能ソフトをダウンロードしたりする手間」から解放されるテクニックを学び、作業効率を大幅に向上させましょう。
PDF切り取りの基本概念
-
切り取り(トリミング)
- 1ページ内の不要な空白や余白を消す。
-
分割(スプリット)
- 複数ページを別々のファイルに分離する。
-
結合(マージ)
- 複数ファイルをひとつにまとめる。
「ドラッグ&ドロップ」が可能なアプリは、主にファイルの読み込みとページの選択をマウス操作で直感的に行える点が特徴です。ここでは、具体的な操作方法を順を追って解説します。
Windowsでのドラッグ&ドロップ切り取り
1. Windows標準アプリ「写真」+「PDFに変換」
(※Windows 10/11 で標準搭載)
- PDFをファイルエクスプローラーで選択し、右クリック > 「開くアプリ」> 「Windows フォト」 を選択。
- フォトで表示したいページを右クリックし、「コピー」。
- 別のフォルダを作成し、ドラッグ&ドロップでコピーしたページを貼り付け。
- 貼り付けたファイルを右クリックし、「印刷」>「Microsoft Print to PDF」 を選択して新しいPDFを作成。
※この方法は1ページずつ処理するため、大量ページの高速切り取りには向きませんが、少数ページの簡易切り取りには十分です。
2. 無料アプリ「PDFsam Basic」
ダウンロード & インストール
- PDFsam Basic(公式サイト) → 32/64-bit版をインストール。
操作手順
- 「Split」 タブを開く。
- 「Add」 で切り取りたいPDFをドラッグ&ドロップ。
- 「Split by bookmark」や「Split by every X page」などを選択し、「Split」 ボタンをクリック。
- 出力フォルダが自動で生成され、指定範囲のPDFが個別に保存される。
※PDFsamは「ドラッグ&ドロップ」で複数ファイルを一度に読み込めるので、一括処理が簡単です。
3. 有料アプリ「Adobe Acrobat DC」
特色
- ページのトリミングや選択がさらに細かく行える。
- PDFの自動認識でページ単位のドラッグ&ドロップが可能。
操作手順
- Adobe AcrobatでPDFを開く。
- 「ツール > ページを整理」へ移動。
- 切り取りたいページをドラッグして選択。
- 右側のパネルから「トリミング」や「カット」オプションを使用。
- **「別名で保存」**を選ぶと、切り取ったページだけを新しいPDFに保存。
※Acrobatは高度なOCR機能を併せ持つため、スキャンした画像PDFでも文字認識が可能です。
Macでのドラッグ&ドロップ切り取り
Macでは**Preview(プレビュー)**が強力なビルトインツールです。
1. Previewでページ単位の切り取り
- PDFをFinderで選択し、右クリック > 「プレビューで開く」。
- 左サイドバーにページサムネイルが表示されるので、切り取りたいページをドラッグ(Ctrl+クリック)して選択。
- メニューバー「ファイル > 切り取り」か ⌘-K(キーボードショートカット)を押す。
- 切り取ったページは別ファイルにドラッグ&ドロップして保存。
※Previewは複数ページを同時に選択し、**「複数ページのカット」**を行えるため、作業効率が大幅に上がります。
2. Automatorでのバッチ処理
Automatorを使うと、ドラッグ&ドロップで一括切り取りを実現できます。
- Launchpad > Automator を起動。
- **「ワークフロー」**を選択し、右側の検索で 「PDF」 を検索。
- 「PDFを指定ページで分割」のアクションをドラッグ。
- 設定画面で 「開始ページ」 と 「終了ページ」 を入力。
- 「このワークフローを保存」し、ドラッグ&ドロップでPDFファイルを実行。
この方法だと、指定範囲のページを自動で新規PDFとして出力するので、非常に楽です。
スマートフォンでの簡単ドラッグ&ドロップ
スマホは タッチ操作 を最大限に活かしたアプリが多数あります。iOS と Android で代表的なアプリを紹介します。
iOS:iBooks / Google PDF Viewer / Adobe Acrobat Reader
| アプリ | 主な機能 | ドラッグ&ドロップ実装 | 備考 |
|---|---|---|---|
| iBooks | PDF閲覧・編集 | ページサムネイルを 長押し で選択し、ドラッグして別の場所へドラッグ。 | iOS統合なのでクラウド同期が便利 |
| Google PDF Viewer | 軽量閲覧 | ページを長押し → 選択 → 「分割」 で新ファイル保存。 | Google Drive連携で簡単 |
| Adobe Acrobat Reader | ページ操作 | ページサムネイルを ドラッグ で選択 → 「トリミング」や「カット」 | PDFの完全編集機能付き |
具体的な手順例(iBooks)
- アプリを起動し、対象PDFを開く。
- サムネイルタブを表示し、切り取りたいページで長押し。
- 表示されるメニューから 「選択」 → 複数ページを選択。
- 「共有」アイコンをタップし、「コピー」 → **「新規作成」**で別PDFに保存。
Android:Google PDF Viewer / Xodo / Foxit Mobile PDF
| アプリ | 主な機能 | ドラッグ&ドロップ実装 | 備考 |
|---|---|---|---|
| Google PDF Viewer | 基本閲覧 | ページサムネイルを長押し → 「カット」 | Google Drive 連携 |
| Xodo | PDF 編集 | ページを長押し→ドラッグ→「トリミング」 | コミュニケーション機能付き |
| Foxit Mobile PDF | 高度編集 | ページを長押し→ドラッグ→「分割」 | PDF変換機能あり |
Xodoでのドラッグ&ドロップ手順
- Xodoを起動し、ファイルタブから対象PDFを開く。
- サイドバーのページタブで、長押ししつつドラッグして選択範囲を定める。
- 選択後、上部メニューに「ページ」アイコンをタップ → 「分割」→ 「現在のページのみ」選択。
- 新ファイルとして保存できます。
テクニックの応用:ドラッグ&ドロップとショートカットの組み合わせ
| OS | キーボードショートカット | 補足 |
|---|---|---|
| Windows | Ctrl + Click(複数ページ選択) |
「Print to PDF」で一括保存 |
| macOS | ⌘ + K(カット) |
複数選択後即時保存 |
| iOS | 長押しで複数選択 | 共有メニューでドラッグ&ドロップ |
| Android | 長押しでドラッグ | 「分割」→「新ファイルに保存」 |
これらを組み合わせると、ドラッグ&ドロップで選択範囲を決めたあと、ショートカットで即座に切り取る一連の操作を数秒で完了できます。特に大量資料の編集時に時間短縮効果は抜群です。
よくあるトラブルと対処法
| 問題 | 原因 | 対策 |
|---|---|---|
| ページが正しく切れない | PDF自体が保護されている | Acrobat DC で PDFを解凍(パスワード入力) |
| 抜粋したPDFが文字化けしている | OCRが施されていない | Acrobat で OCRを実行する |
| 複数ページを一度に切り取ろうとしてエラー | ファイルサイズが大きすぎる | PDFsam で「分割」を「ページ数」単位にする |
| スマホでドラッグが反応しない | タッチレスポンスが低い | アプリを最新版に更新、または フォーマットを変換して再試行 |
まとめ
- Windows では PDFsam で一括処理、Adobe Acrobat で高度編集が可能。
- Mac なら標準アプリ Preview が強力、Automator でバッチ処理も実装できる。
- スマホ では iOS の iBooks、Android の Xodo など、タッチ操作で直感的にページを選択・切り取れる。
- すべてのプラットフォームで「ドラッグ&ドロップ」が中心のワークフローになっており、マウスや指だけで操作が完結します。
今まで「手間だ」と感じていたPDFの切り取りも、これらの便利なテクニックを使えば、数秒で終わる作業にまで変貌します。ぜひ、今度の資料作業に取り入れてみてください。


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