pdf 軽くできる5つのテクニックでファイルサイズを劇的に削減!

PDF を扱う際、大きなファイルサイズは転送時間の増加やストレージコストの増大、閲覧時の遅さなど多くの問題を引き起こします。特に画像が多いレポートや資料、電子書籍などではサイズが数百メガバイトに膨れ上がることがあります。
本稿では「PDF を軽くできる 5 つのテクニック」を紹介し、実際に手を動かしてサイズを劇的に削減できる方法を解説します。これらは Windows / macOS どちらでも実践可能で、Adobe Acrobat などの高機能ソフトを使わなくても無料ツールやオフィススイートの機能だけで実現できます。


1️⃣ 画像の解像度と圧縮を見直す

画像はファイルサイズを決定づける最大因子

PDF 内に埋め込まれている画像は、ピクセル数と圧縮率に応じて大きくサイズが変わります。

  • 解像度 — 300 dpi(高解像度)で作成した図は 600 dpi まで増やすと約 4 倍のファイルサイズ
  • 圧縮方式 — ZIP ラベルの可逆圧縮(JPEG など)よりも非可逆圧縮がはるかに小さく済む

実践手順

  1. 画像のピクセルサイズを調整

    • Adobe Photoshop / GIMP で画像を開き、Image → Image Size で DPI を 150 dpi 以下に設定(印刷用なら 150 dpi、Web 用なら 72 dpi が多い)
    • 既に 150 dpi であっても、ファイルサイズが大きい場合は「Image → Resize」から幅や高さを 10 % 〜 20 % へ縮小
  2. 適切なフォーマットに変換

    • 写真画像JPEG(品質を 70〜80% に設定)
    • イラスト・図表PNG-8(色数を 256 以下に制限) か WebP(高圧縮比で可逆・不可逆両対応)
  3. 一次ファイルを再埋め込む

    • 元の PDF を開き、画像を置き換えるだけで済む場合もある。
    • 取り込み時に「画像の解像度を変更して埋め込む」オプションを使えば、PDF 生成時に画像が自動で再サンプルされることもある。

おすすめ無料ツール

  • ImageOptim(macOS) / FileOptimizer(Windows) – バッチ処理で画像の圧縮を一括実行。
  • TinyPNG / TinyJPG(Web) – PNG / JPEG をアップロードして圧縮。

2️⃣ 使われていないフォントを削除(フォントサブセット化)

何故フォントが重要か

PDF には文字を表示するためのフォント情報が埋め込まれます。

  • 埋め込み全体:数十〜百 KB 以上
  • サブセット化:ドキュメント内で使用されている glyph のみを埋め込むと 90% ほど削減

実践手順

  1. フォントを調べる

    • Adobe Acrobat Pro DCファイル → プロパティ → フォント
    • 無駄なローカルフォント(サンプルの“Times New Roman”だけでなく、全フォントが埋め込まれているケースが多い)
  2. フォントサブセット化

    • pdfoptimiser(Windows)や ps2pdf(Ghostscript)に -dSubsetFonts=true を追加すると自動でサブセット化。
    • LibreOffice で PDF をエクスポートするときに「すべての文字を埋め込む」チェックを外す。
  3. フォントを削除・置き換える

    • 例えば「Calibri」→「Helvetica」など、システムにデフォルトで埋め込まれるフォントへ変更。
    • Adobe Fonts を利用した場合は「ライセンス制限」も考慮。

簡易検証
PDF をブラウザで表示したときに「フォントが欠落」と表示されれば、サブセット化や置き換えに失敗。
失敗した場合は一度 PDF を作成し直す か、埋め込みの必要性を再確認。


3️⃣ 不要なオブジェクト・リンク・ブックマークを削除

PDF には「見えないデータ」が潜んでいる

  • ハイパーリンク
  • JavaScript
  • フォームフィールド
  • ブックマーク の重複
  • ページレイアウト情報 から残ったメタ情報

これらは通常、読み込み速度にほぼ影響しないが、数百ページにわたると積み重なって数 MB も増えることがあります。

実践手順

  1. PDF 解析ツールでリストアップ

    • pdfinfo(Ghostscript)や PDFtk Server で「pdfinfo -objectinfo」を実行。
    • 結果を確認し、不要と思われるオブジェクトをメモ。
  2. オブジェクトを削除

    • pdfdetach で「pdfdetach -saveobj PDF_ID」を実行。
    • その後 pdfclean(Ghostscript)で「pdfclean -q cleaned.pdf original.pdf」。
    • この際、-c(clean)と -d(delete unnecessary objects)オプションを併用すると効果的。
  3. 軽量化を確定

    • 作業後、PSExifTool でページ数・オブジェクト件数を確認し、削減量をチェック。

注意点

  • 重要なリンク(内部リンクや外部ハイパーリンク)が削除されないよう、対象を十分に吟味してください。
  • 複雑なダイナミック要素(サムネイル付きメール添付PDF)では「JavaScript」を残す必要があります。

4️⃣ 変換・再圧縮時のオプションを最適化(Acrobat / Ghostscript)

変換時に設定が大きく影響

  • 分割レイヤー:可逆圧縮で残してしまうとサイズ増
  • PDF/A 変換:色空間や DPI が揃わないので余計に大きくなる

実践手順

Adobe Acrobat Pro DC を使う場合

  1. PDF を作成

    • 「印刷時に PDF を作成」 → 印刷設定高品質印刷品質低品質 に変更
    • オプションPDF/A を無効化
  2. 保存設定

    • 「ファイル」→「別名で保存」→「Adobe PDF 書式」
    • 「Adobe PDF」 → 設定PDF 1.7 (Acrobat) (最適化)
    • 画像 タブで 画像圧縮JPEG品質を**80%**に設定
    • 文字 タブで サブセット化 を有効に

Ghostscript(コマンドライン)を使う場合

gs -sDEVICE=pdfwrite \
   -dCompatibilityLevel=1.4 \
   -dPDFSETTINGS=/small \
   -dColorImageResolution=150 \
   -dColorImageDownsampleType=/Fourier \
   -dColorImageDownsampleThreshold=1.0 \
   -dGrayImageResolution=150 \
   -dGrayImageDownsampleType=/Fourier \
   -dGrayImageDownsampleThreshold=1.0 \
   -dColorImageDownsampleColorOnly=true \
   -dAutoFilterColorImages=true \
   -dAutoFilterGrayImages=true \
   -dNOPAUSE -dQUIET -dBATCH \
   -sOutputFile=output.pdf \
   input.pdf
  • -dPDFSETTINGS=/small は「低品質で圧縮」を意味し、ファイルサイズを大幅に減らします。
  • -dCompatibilityLevel=1.4 にすると、PDF バージョン 1.4(CS 4)で保存し、古い PDF リーダーでも互換性があります。

5️⃣ オンラインツールでの「一括軽量化」+「確認と調整」

便利ツールと併用するメリット

  • 手作業が楽:数ページに数百の画像を自動で最適化
  • 一括処理:複数 PDF のサイズ圧縮を同時実行
  • 即時確認:プレビューで確認しながら微調整

オススメ無料オンラインサービス

サービス 主な機能 料金
Smallpdf 画像圧縮・PDF 変換・結合・分割 無料プランあり(1日 2 回まで)
ilovepdf 連番画像の PDF 生成、圧縮 無料プランあり
PDF2GO 画像圧縮・フォント除去・ページトリミング 無料・プレミアム
Squoosh 画像をオンラインで圧縮 無料

使い方の手順

  1. ファイルをアップロード

    • 複数 PDF をドラッグ&ドロップ。
    • 必要に応じて「PDF を最小化」オプションを選択。
  2. 設定を選択

    • 画像圧縮率(最高 90%)
    • フォント除去(全フォント)
    • ページレイアウト自動調整(余白削減)
  3. ダウンロード

    • 変換完了後、ダウンロード前に プレビュー で確認。
    • 必要なら「もっと圧縮」オプションを再度適用。

注意
企業や機密情報を含む PDF では、オンラインサービスの利用はリスクが高いため社内サーバーで行うか、信頼できる業者を選びましょう。


まとめ:実践的な「PDF 軽量化」のチェックリスト

# テクニック 実践ツール 主な効果
1 画像解像度・圧縮 Photoshop / GIMP / TinyPNG 50〜80% 減らし
2 フォントサブセット化 Acrobat / LibreOffice / Ghostscript 30〜50% 減らし
3 不要オブジェクト削除 pdfdetach / pdfclean 10〜20% 減らし
4 変換時オプション最適化 Acrobat / Ghostscript 全体 20〜30% 減らし
5 オンライン一括軽量化 Smallpdf / iLovePDF 5〜10% 推奨

実際に 1 から 5 までの手順を順に行うことで、1 MB の PDF を 200 kB 以下 に圧縮できるケースが多くあります。
ぜひ、自分のドキュメント特性(画像比率、フォント使用率、ページ数)に合わせて「必要なテクニック」を選択し、毎回の PDF 作成時に「軽量化」を習慣化してください。

最後に、変換後は必ずサンプルを開いて文字化けや画像崩れがないか確認 しましょう。大きなファイルの削減って思わぬ作業が増えると感じるかもしれませんが、慣れれば数分で完了できるスピード化の作業です。

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