PDFが大きすぎるとメール添付ができなかったり、Webにアップロードする際に時間がかかるという悩み、ありませんか?
この記事では、画像圧縮とフォント削減という二つの基本的なテクニックを組み合わせ、**「手軽にPDFを約500 KBへダウン」**するための3ステップを解説します。
ツールは無料・有料を問わず、業務で使える業務用ソフトから気軽に試せるオンラインサービスまで幅広く紹介します。
実践前にチェック!
• 「PDFを圧縮しても文字が読めなくなる?」
• 「元に戻せるのはあるの?」
これらの質問に答えながら、リスクを減らしつつサイズを削減する方法をお伝えします。
1️⃣ まずは画像を最適化 ― 画質とサイズのバランスを掴む
1.1 画像解像度を下げるときのポイント
PDFに埋め込まれた画像は、スキャン時の解像度を落とすと格段にファイルサイズが縮小されます。
- 標準的なWeb表示なら 150 dpi で十分です。
- 印刷用なら 300 dpi 以上が必要ですが、ここではメールやWeb向けであることを想定しています。
低解像度化のコツ
- 画像を一括でリサイズできるオンラインサービス(例:ILovePDF → Compress PDF)では、画像品質を「高」「中」「低」から選べます。
- コマンドラインのGhostscriptを使えば、細かいコントロールが可能です。以下に実例を示します。
gs -sDEVICE=pdfwrite \
-dCompatibilityLevel=1.4 \
-dPDFSETTINGS=/ebook \
-dNOPAUSE -dBATCH \
-sOutputFile=output.pdf \
input.pdf
-
/ebookは 低~中品質 の圧縮設定。 -
/screenはさらに高圧縮で 96 dpi に相当。
注意:画像を下げすぎると文字が読みにくくなることがあります。
その際は「中品質」設定に戻してみてください。
1.2 画像フォーマットを変換する
PDF内に JPEG2000 や TIFF で埋め込まれた画像は、場合によっては圧縮率が低く大きなファイルになります。
- これらを JPEG (Progressive) に変換するだけで、サイズを 20–40 % ほど削減できます。
- Adobe Acrobat Pro の「PDFの最適化」機能で「画像の圧縮」と「画像形式の変換」を同時に実行できます。
1.3 無駄な画像を削除
- ページごとの画像 を確認し、見えない領域に埋め込まれた余計な画像(例:背景用透明画像)がないか見落としがちなポイント。
- Ctrl + F で「image」や「jpeg」と検索して確認すると便利です。
2️⃣ フォントの見直し ― 使っていないフォントを排除する
PDFは文書全体のフォントを埋め込みます。使用していない文字コードやスタイルが埋め込まれたままだと、ファイルサイズは増えます。
2.1 どんなフォントが埋め込まれているか調べる
- Adobe Acrobat Pro のメニューバーから 「ファイル」→「プロパティ」→「フォント」 を選択すると、フォント一覧 が表示されます。
- オンラインツールの PDFinfo (コマンドライン) でも確認可能です。
pdfinfo -f 1 -l 1 -c input.pdf | grep -i font
2.2 フォントの軽量化手順
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| 1 | PDFの最適化> フォント で 埋め込みの無駄を削除(Adobe Acrobat Pro) |
| 2 | サブセット化:使われている文字だけを埋め込むよう設定。 |
| 3 | フォントを変換:必要があれば TrueType → OpenType でサイズを小さく。 |
注意:フォントを削除する場合、文書内の文字が別のフォントに置き換わるため、レイアウトが崩れるリスクがあります。必ず「事前に保存」しておき、差分を確認してください。
2.3 フォントを統一する
- 複数のフォントが混在していると、埋め込むフォント情報の重複が発生します。
- PDF を作成した環境で 「統一フォント」 に設定しておくと、後から整備する手間が省けます。
- 無地の PDF であれば、システム標準フォント(例:DejaVu Sans)だけを埋め込み、他はリンクとして扱う設定も検討してください。
3️⃣ もう一歩先へ ― 余分なオブジェクトを削除して最終調整
画像圧縮+フォント削減で大半のサイズが削減可能ですが、それをさらに圧縮したい場合は「オブジェクトのクリーンアップ」を行います。
3.1 PDF 構造を見直す
- PDF/A 形式への変換:保管・提出向け の場合は PDF/A への変換を試みると、不要なメタ情報が削除されます。
- Adobe Acrobat Pro の 「PDF作成」→「その他」→「PDF/A」 で設定。
3.2 オブジェクト管理ツールの活用
- PDF-XChange Editor の 「文書プロパティ」→「詳細」 で 「オブジェクト統合」 を有効にすると、同じオブジェクトへの重複参照が解消されます。
-
Ghostscript を再度使用し、
-dCompressFonts=true -dCompressText=trueオプションを追加。
gs -sDEVICE=pdfwrite \
-dCompatibilityLevel=1.4 \
-dPDFSETTINGS=/prepress \
-dCompatibilityLevel=1.7 \
-dPRESCREEN -dColorImageDownsampleType=/Bicubic \
-dColorImageResolution=150 \
-dGrayImageDownsampleType=/Bicubic \
-dGrayImageResolution=150 \
-dCompressFonts=true \
-dCompressText=true \
-sOutputFile=final.pdf \
intermediate.pdf
3.3 オンラインサービスの「簡易圧縮」
- Smallpdf、ILovePDF、PDF Compressor など、無料で利用できるオンライン圧縮サービスも存在します。
- ただし、機密情報 を扱う場合は VPN を介したアクセスや、ローカルで完結 するツールを選択しましょう。
まとめ:500 KBに落としたいときの完全チェックリスト
| # | タスク | ツール/コマンド | 参考ポイント |
|---|---|---|---|
| 1 | 画像解像度を落とす | Ghostscript /ebook、Adobe Acrobat Pro → 「画像圧縮」 |
150 dpi で十分 |
| 2 | 画像フォーマットを変換 | Adobe Acrobat Pro → 「画像形式の変換」 | JPEG で軽量化 |
| 3 | フォントのサブセット化 | Adobe Acrobat Pro → 「フォント最適化」 | 未使用フォントを削除 |
| 4 | 余分オブジェクトを削除 | Ghostscript 追加オプション、PDF-XChange Editor | 同じオブジェクト統合 |
| 5 | 最終チェック | PDFリーダーでページレイアウト確認 | 文字化け・レイアウト崩れ |
FAQ:よくある質問
| 質問 | 回答 |
|---|---|
| Q1. 文字が読みにくくなることはない? | 文字は TrueType でサブセット化しているため、本当に使用される字形だけが残ります。再表示時に文字化けはほぼありません。 |
| Q2. 元の PDF に戻せる? | 完全に元に戻すことはできませんが、ステップごとに別ファイルを保存しておけば、任意の手順で再編集できます。 |
| Q3. 画像の画質を落としすぎると? | 150 dpi であってはじめに プレビュー でテキストやグラフィックが歪まないか確認。必要に応じて「中品質」へ変更。 |
ぜひ、上記手順を順に試し、500 KB 近辺に収めた PDF を手に入れてみてください。
最終的には、メール送信時間が短縮され、閲覧者の負担も軽減されます。
ご自身の業務フローに合わせて、ツールの選定と設定を調整してみてください。Happy PDF!


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